プログラミングの関数とは何?使うメリット・引数・型などをわかりやすく解説

プログラミングの関数とは何?使うメリット・引数・型などをわかりやすく解説 プログラミング言語

プログラミングを学ぶ上で避けて通れない「関数」。
多くの初心者が「難しそう」と感じてしまいますが、実は関数を理解することで、プログラミングが劇的に楽しく、効率的になります。

この記事では、関数の基本概念から実践的な使い方まで、初心者の方でも理解できるよう丁寧に解説します。

関数をマスターすれば、あなたのプログラミングスキルは確実にワンランクアップするでしょう。

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プログラミングにおける「関数」をわかりやすく解説

プログラミングにおける「関数」をわかりやすく解説

プログラミングを学び始めると必ず出会う「関数」。
難しそうに聞こえますが、実は私たちの日常生活でも似た考え方を使っています。

この項目では、関数の基本的な概念である「関数そのもの」「型」「引数」「戻り値」について、初心者の方でも理解できるよう丁寧に解説していきます。

そもそも関数とは

プログラミングにおける関数とは、特定の処理をまとめて名前をつけたものです。
料理のレシピのように、一連の手順を記録しておき、必要な時に呼び出して使うことができます。

例えば、「2つの数字を足し算する」という処理を関数として定義しておけば、プログラムの中で何度でもその処理を簡単に実行できるのです。

関数は入力(引数)を受け取り、処理を実行して、結果(戻り値)を返すという基本的な流れで動作します。
数学の関数と似ていますが、プログラミングの関数はより幅広い処理を実行できるのが特徴です。

画面に文字を表示したり、データベースから情報を取得したり、ファイルを作成したりと、様々な処理を関数として定義できます。

現代のプログラミングでは、関数なしでプログラムを作ることはほぼ不可能といえるでしょう。
関数を使いこなすことで、効率的で読みやすいプログラムを作成できるようになります。

型とは

型(かた)とは、データの種類を表す概念です。

プログラミングでは、数値、文字列、真偽値など、扱うデータの種類を明確に区別する必要があります。
例えば、「10」という数値と「10」という文字列は、見た目は同じでも、コンピュータにとっては全く異なるものとして扱われるのです。

関数における型は、主に「引数の型」と「戻り値の型」の2つに分けられます。
引数の型は、関数に渡すデータの種類を指定し、戻り値の型は、関数が返す結果の種類を指定します。

TypeScriptやJavaなどの静的型付け言語では、これらの型を明示的に宣言することで、プログラムの安全性を高めることができます。

主な型の種類 説明
数値型 整数や小数を扱う 42, 3.14
文字列型 テキストデータを扱う “Hello”, “プログラミング”
真偽値型 true/falseの2値を扱う true, false
配列型 複数の値をまとめて扱う [1, 2, 3]
オブジェクト型 複数の属性を持つデータを扱う {name: “太郎”, age: 20}

型を正しく理解し活用することで、バグの少ない堅牢なプログラムを作成できます。

引数とは

引数(ひきすう)は、関数に渡す入力値のことです。
関数を呼び出す際に、処理に必要な情報を引数として渡すことで、関数は様々な状況に対応した処理を実行できます。

料理のレシピで例えると、「材料」にあたるものが引数といえるでしょう。

引数には「仮引数」と「実引数」の2種類があります。
仮引数は関数を定義する時に使う変数名で、実引数は関数を呼び出す時に実際に渡す値です。

例えば、function add(a, b) という関数定義では、「a」と「b」が仮引数となり、add(5, 3) と呼び出す時の「5」と「3」が実引数となります。

最近のプログラミング言語では、デフォルト引数や可変長引数、名前付き引数など、より柔軟な引数の扱い方が可能になっています。
これらの機能を活用することで、より使いやすく保守しやすい関数を作成できるでしょう。

戻り値とは

戻り値(もどりち)は、関数が処理を実行した後に返す結果のことです。

関数は引数を受け取って処理を行い、その結果を戻り値として呼び出し元に返します。
料理のレシピで例えると、完成した料理が戻り値にあたるでしょう。

戻り値を返すには、多くのプログラミング言語でreturn文を使用します。
return文が実行されると、その時点で関数の処理は終了し、指定された値が呼び出し元に返されます。

戻り値がない関数もあり、そのような関数は処理を実行するだけで、特定の値を返しません。

戻り値の型も重要な要素です。
数値を返す関数、文字列を返す関数、オブジェクトを返す関数など、用途に応じて適切な型の戻り値を設計する必要があります。

戻り値を適切に設計することで、関数の再利用性と信頼性が大きく向上します。

関数を使うメリット

関数を使うメリット

関数を使わなくてもプログラムは作れますが、なぜ多くのエンジニアが関数を活用するのでしょうか。

それは、関数を使うことで多くのメリットが得られるからです。

そこでこの項目では、関数がもたらす4つの大きなメリットについて、具体例を交えながら解説していきます。

コードが見やすくなる

関数を使うことで、プログラムの構造が明確になり、コードの可読性が大幅に向上します。
長い処理を小さな関数に分割することで、各部分が何をしているのかが一目で分かるようになるのです。

例えば、1000行のコードがずらりと並んでいるよりも、それぞれ50行程度の関数20個に分かれている方が、全体の流れを把握しやすくなります。

関数には分かりやすい名前をつけることができるため、コメントを書かなくても処理の意図が伝わりやすくなります。
「calculateTotalPrice()」や「validateUserInput()」といった関数名を見れば、ある程度英単語を理解している人ならばその関数が何をするのかすぐに理解できるでしょう。

これにより、他の開発者がコードを読む時間が短縮され、チーム開発の効率が向上します。

何度も同じことを書く必要がなくなる

関数の最大のメリットの一つは、コードの再利用性です。
同じ処理を何度も書く必要がなくなり、一度定義した関数を必要な場所で呼び出すだけで済みます。

これにより、プログラムの記述量が大幅に削減され、開発時間の短縮につながるでしょう。

例えば、消費税を計算する処理を10箇所で行う必要がある場合、関数を使わなければ同じコードを10回書かなければなりません。
しかし、「calculateTax()」という関数を一度定義しておけば、必要な場所でこの関数を呼び出すだけで済みます。

コードの重複を避けることで、プログラムのサイズも小さくなり、メンテナンスも容易になるでしょう。

コードの修正が楽になる

関数を使うことで、プログラムの修正やメンテナンスが格段に楽になります。
処理が一箇所にまとまっているため、バグの修正や機能の改善を行う際に、関数の中身を変更するだけで、その関数を使っているすべての場所に変更が反映されるのです。

先ほど例に挙げた消費税で考えてみてください。

消費税率が変更になった場合、関数を使っていなければ、プログラム全体から税率計算を行っている箇所をすべて探し出し、一つ一つ修正する必要があります。
しかし、「calculateTax()」関数を使っていれば、その関数内の税率を変更するだけで対応完了です。

また、関数は独立性が高いため、他の部分に影響を与えることなく修正できます。

これにより、修正による新たなバグの発生リスクを最小限に抑えられます。

エラーやバグが発生しにくくなる

関数を適切に使用することで、エラーやバグの発生を大幅に減らすことができます。
処理を小さな単位に分割することで、各関数の責任範囲が明確になり、問題の原因を特定しやすくなるからです。

また、関数ごとにテストを行うことで、バグを早期に発見できます。
TypeScriptやJavaなどの静的型付け言語では、コンパイル時に型チェックが行われるため、実行前に多くのエラーを発見できるでしょう。
動的型付け言語でも、型ヒントやドキュメントを活用することで、同様の効果を得られます。

さらに、関数を使うことで、変数のスコープ(有効範囲)を限定できます。
グローバル変数の使用を最小限に抑え、関数内でローカル変数を使うことで、予期しない変数の上書きや参照エラーを防げます。

このように、関数は単にコードを整理するだけでなく、プログラムの品質向上にも大きく貢献します。

関数名はどのように決めればいい?

関数名はどのように決めればいい?

関数名は、その関数が何をするのかを明確に表現する必要があります。

良い関数名は、コードを読む人がコメントを見なくても、関数の目的や動作を理解できるものでしょう。

一般的に、関数名は動詞で始まり、その後に対象となる名詞を続ける形式が推奨されています。
命名規則としては、キャメルケース(calculateTotal)やスネークケース(calculate_total)がよく使われます。

プログラミング言語やプロジェクトの規約に従って、一貫性のある命名を心がけることが重要です。
また、略語の使用は最小限に留め、誰でも理解できる完全な単語を使うようにしましょう。

良い関数名の例 避けるべき関数名の例
getUserName() get()
calculateTotalPrice() calc()
validateEmailAddress() check()
saveToDatabase() save()
formatDate() fmt()

関数名は長すぎても短すぎても問題があります。
15〜30文字程度を目安に、必要十分な情報を含む名前を選ぶことで、読みやすく理解しやすいコードになるでしょう。

関数の種類は大別すると2つ

関数の種類は大別すると2つ

プログラミングで使う関数は、大別すると2種類に分類できます。

プログラミング言語が最初から用意してくれている「組み込み関数」と、開発者が自分で作る「ユーザー定義関数」です。

この2つの違いと使い分けを理解することで、効率的なプログラミングができるようになるでしょう。

組み込み関数

組み込み関数は、プログラミング言語があらかじめ用意している関数のことです。
開発者が定義することなく、すぐに使える便利な関数が多数提供されています。

これらの関数は、言語の標準ライブラリに含まれており、基本的な処理を効率的に実行できるよう最適化されています。

例えばJavaScriptでは、「console.log()(画面出力)」、「Math.random()(乱数生成)」、「Array.sort()(配列のソート)」などが組み込み関数として提供されています。

Pythonでは、「print()」「len()」「range()」 などがよく使われる組み込み関数です。

これらの関数は、プログラミング言語の仕様として定義されているため、どの環境でも同じように動作します。

組み込み関数を使いこなすことは、効率的なプログラミングの第一歩です。
各言語の公式ドキュメントを参照し、どのような組み込み関数が利用可能かを把握しておくことが重要です。

ユーザー定義関数

ユーザー定義関数は、開発者が自分で定義する関数のことです。
プログラムの要件に応じて、必要な処理を関数として作成します。

組み込み関数だけでは実現できない、アプリケーション固有の処理を実装する際に使用されます。

ユーザー定義関数を作成する際は、「単一責任の原則」に従うことが重要です。
一つの関数は一つの機能だけを持つようにし、複雑な処理は複数の関数に分割します。

例えば、ユーザー登録処理であれば、「入力値の検証」「パスワードの暗号化」「データベースへの保存」「確認メールの送信」といった処理を、それぞれ独立した関数として実装すべきです。

また、ユーザー定義関数の設計では、再利用性と拡張性を考慮することが大切です。
汎用的な関数を作成しておけば、他のプロジェクトでも活用できるので便利です。

プログラミングの関するにまつわるよくある質問

プログラミングの関するにまつわるよくある質問

関数について学んでいると、誰もが同じような疑問や不安を抱きます。

そこでこの項目では、「関数が覚えられない」「デメリットはないの?」といった、初心者が抱きがちな疑問を解消していきます。

関数がなかなか覚えられない時はどうすればいい?

「どのような組み込み関数があるのかを覚えるのが難しい」と感じるのは、多くの初心者が経験することです。

まず大事なのが、すべての関数を暗記する必要はなく、よく使う基本的な関数から徐々に覚えていく、ということを意識することです。
組み込み関数の中には、一般的にはあまり使われないものもあるので、そういったものまですべて覚えてもあまり意味はありません。

覚える関数の数を絞れば、それだけ覚えやすくなるでしょう。

関数を使うことにデメリットはない?

関数は多くのメリットがありますが、使い方によってはデメリットも存在します。

例えば、過度に細かく関数を分割すると、かえってコードが読みにくくなることがあります。
関数呼び出しのオーバーヘッド(処理時間)も考慮する必要があり、パフォーマンスが重要な場面では注意が必要です。

また、関数の設計が不適切だと、保守性が低下することもあります。
引数が多すぎる関数や、複数の責任を持つ関数は、使いにくく理解しにくいものになってしまうでしょう。

とはいえ、関数のメリットは、デメリットを大きく上回るため、正しい使い方を学んで活用することが大切です。

まとめ

これまで解説してきた通り、プログラミングにおいて関数の存在は欠かせません。
趣味で作る簡易的なプログラムでもない限り、関数が使われないということはまずあり得ないでしょう。

したがって、本記事を参考に関数についての理解を是非深めていただければと思います。

初心者の方は、まず基本的な組み込み関数から始めて、徐々にユーザー関数の作成に挑戦してみてください。
実践を重ねることで、自然と関数の使い方が身についていくでしょう。

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