女性でインフラエンジニアはやめとけと言われる理由は？実態やメリットを解説

これからキャリアを築こうとしている女性や、キャリアチェンジを考える女性の中には、このような悩みを抱えている方も少なくないでしょう。

かつてのインフラエンジニアには、確かに体力仕事や不規則な勤務といった厳しいイメージがありました。

しかし、現在ではそういった働き方が大きく変化しています。

この記事では、「女性がインフラエンジニアになるのはやめとけ」と言われる理由を紹介しつつ、女性ならではのインフラエンジニアを目指すメリットなどについて詳しく解説していきます。

女性インフラエンジニアの実態

「インフラエンジニアは男性の仕事」というイメージは、もはや過去のものとなりつつあります。

ここでは、現在の女性インフラエンジニアを取り巻くリアルな実態について、データや働き方の観点から解説します。

女性インフラエンジニアの割合は？

IT業界全体で女性の活躍が進んでいますが、インフラエンジニアという職種に限定すると、女性の割合はまだ高いとはいえません。

やや古い情報ではあるものの、経済産業省の「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」では、IT業界での女性の割合は「24.1％」にとどまっています。
インフラエンジニアもIT人材に含まれるため、この割合に近いと言えるでしょう。

また、2023年に実施された一般社団法人情報サービス産業協会の調査でも、女性エンジニアの割合は約23%となっています。

先ほどの経済産業省のデータとほぼ変わらないため、依然として女性のインフラエンジニアは少ない状況です。

女性がインフラエンジニアとして働いても結婚に影響はない？

インフラエンジニアという職業が、結婚に直接的な影響を与えることはほとんどないでしょう。
むしろ、IT業界は他の業界に比べて高い給与水準や福利厚生が期待できるため、経済的な安定を築きやすいという側面があるため、結婚に有利になります。

ただし、後述するような不規則な勤務形態や学習意欲が求められる点は、パートナーの理解が必要になるかもしれません。

結婚を考える場合には、キャリアプランや働き方について事前にしっかりと話し合い、お互いの価値観を共有しておくことが大切です。

女性インフラエンジニアはどんな服装で仕事をする？

インフラエンジニアの服装は、勤務先の企業文化やその日の業務内容によって大きく異なります。

普段のオフィスワーク（設計、構築、監視など）では、オフィスカジュアルが基本です。
ジーンズやスニーカーが許可されている企業も多く、比較的自由な服装で働ける環境がほとんどでしょう。

一方で、顧客先への訪問がある場合や、データセンターでの物理作業が伴う日は、服装に配慮が必要です。
客先常駐の場合はスーツやジャケットの着用が求められることがあります。

また、データセンターでは安全のために動きやすい服装や、肌の露出が少ない服装が推奨される場合もあるので、TPOに合わせた服装を心がけるようにしてください。

女性がインフラエンジニアになるのはやめとけと言われる理由

「女性がインフラエンジニアになるのはやめとけ」という声が聞かれる背景には、過去の働き方からくる古いイメージが根強く残っているからです。

ここでは、そのように言われる具体的な理由を5つ解説します。

男性の方が多いためやりづらさを感じる

前述の通り、確かにIT業界全体で見た場合、男性比率が高い状態です。
これは、インフラエンジニアの現場でも同じであり、「チーム内に女性が自分一人だけ」という状況も珍しくありません。

こういった状況から、共通の話題が少なかったり、気軽に相談できる同性の同僚がいなかったりすることで、精神的な孤独感やコミュニケーションの取りづらさを感じる女性もいるでしょう。

また、男性中心の文化が根付いている職場では、女性特有の健康問題などへの理解が得られにくい可能性も否定できません。

こうした環境が、一部で「女性には向かない」と言われる一因となっているのです。

しかし、最近では女性比率も上がってきていますし、女性に対するハラスメント行為についても厳しく罰せられるようになりました。
したがって、「男性優位による働きづらさ」というのは当時と比べてかなり軽減されているのが実態です。

ハード機器を運ぶなどの力仕事がある

インフラエンジニアの仕事には、サーバーやネットワーク機器といった物理的なハードウェアを扱う業務が含まれます。

そのため、データセンターなどで、サーバーラックに機器を設置したり、重い機材を運搬したりする作業が発生することがあります。

数十キロにもなるサーバーを一人で運ぶようなことはありませんが、ある程度の体力が求められる場面は確かに存在するでしょう。

こうした物理的な作業のイメージが先行し、「力仕事があるから女性には厳しい」という意見に繋がっていると考えられます。

ただし、この問題は後述するクラウド技術の普及によって、大きく変わりつつあります。

勤務時間帯がバラバラなので女友達との付き合いに悪影響が出る

インフラエンジニアは、システムを24時間365日安定稼働させるという重要な使命を担っているため、勤務形態が不規則になりがちです。

日勤だけでなく、夜勤や土日祝日のシフト勤務、障害発生時に備えるためのオンコール待機などが発生する場合があります。

平日の夜や週末に働くことが増えると、一般的な会社員として働く友人との予定が合わせにくくなるかもしれません。

プライベートな時間を重視する方にとっては、友人関係の維持が難しくなると感じる場面もあるでしょう。
この点が、ライフスタイルとの両立を懸念する声に繋がっています。

夜勤もあるため子供がいる女性には厳しい

勤務時間の不規則さは、特にお子さんがいる女性にとって大きな課題となります。
夜勤がある場合、子供を預けられる環境がなければ働くことは困難です。

また、深夜や早朝にシステム障害が発生すれば、緊急で対応を求められることもあります。
育児中は、こうした突発的な呼び出しに対応するのが難しい場面も多いでしょう。

保育園の送り迎えや学校行事など、時間的な制約が多い子育て世代の女性にとって、インフラエンジニアの働き方は両立のハードルが高いと感じられるかもしれません。

これが、「子供がいる女性には厳しい」というイメージの一因になっています。

家事や育児で忙しくとも勉強し続ける必要がある

IT技術の進化は非常に速く、インフラエンジニアは常に新しい知識やスキルを学び続ける必要があります。
クラウド技術のアップデート、新しいセキュリティの脅威、ネットワーク技術の進化など、キャッチアップすべき情報は尽きません。

日々の業務に加え、家事や育児に多くの時間を割いている女性にとって、自己学習の時間を確保するのは容易ではないでしょう。

仕事と家庭を両立させながら、さらに技術の勉強も続けるという状況は、パートナーの理解と協力がなければ大きな負担となる可能性があります。

実際はインフラエンジニアを目指す女性が増えている

ここまで、「女性がインフラエンジニアを目指すのはやめとけ」と言われる理由について紹介してきましたが、実際は、インフラエンジニアを目指す女性が増加傾向にあります。
これは、クラウド技術の普及によって働き方が大きく変化し、女性にとってのメリットが増えてきたからです。

かつてのような物理的な作業は減少し、リモートワークで場所を選ばずに働ける環境が整いつつあるのです。

また、論理的思考力やコミュニケーション能力といった、性別に関係なく発揮できるスキルが評価されるようにもなってきました。

さらに、IT業界全体でダイバーシティが推進されており、女性が働きやすい環境整備やキャリア支援制度が充実してきていることも、大きな追い風となっています。

女性がインフラエンジニアになるメリット

古いイメージとは裏腹に、2025年現在のインフラエンジニアという職業は、女性にとって多くのメリットがあります。

ここでは、女性が今、インフラエンジニアを目指すべき具体的な理由を6つ紹介します。

クラウドの普及により従来のような力仕事は減っている

最大のメリットは、クラウド技術の普及による業務内容の変化です。

Amazon Web Services (AWS) や Microsoft Azure といったクラウドサービスが主流になったことで、企業が物理サーバーを管理する必要性が大幅に減少しました。
これにより、サーバーラックへの機器設置といった物理的な力仕事は激減しています。

現在のインフラ構築は、コードを書いて自動化する「Infrastructure as Code (IaC)」が中心です。

体力ではなく、論理的思考力や設計スキルが求められるようになったため、性別による有利不利はほとんどなくなりました。

リモートワークが普及している

クラウド化が進んだことで、インフラエンジニアの働き方も大きく変わりました。
サーバーやネットワークの管理を、場所を問わずブラウザ上から行えるようになったため、リモートワークとの相性が非常に良いのです。

通勤時間がなくなることで、プライベートな時間や自己学習の時間を確保しやすくなります。
特に育児や介護と仕事を両立させたい女性にとって、在宅で働けるという選択肢は大きな魅力でしょう。

柔軟な働き方ができる環境は、長期的なキャリアを築く上で強力なサポートとなります。

未経験からでも目指しやすい

インフラエンジニアは、未経験からでもキャリアをスタートさせやすい職種の一つです。
その理由として、学ぶべき技術領域が体系化されており、明確な学習ロードマップが存在することが挙げられます。

例えば、ネットワーク分野では「CCNA」、サーバー分野では「LinuC」といった、業界標準の資格が存在します。

これらの資格取得を目指して学習を進めることで、必要な知識を効率的に、かつ網羅的に身につけることが可能です。

プログラミングのように抽象的な概念が少なく、目標設定がしやすいため、着実にスキルアップできるでしょう。

産休や育休の制度が整っている

IT業界は、他の伝統的な産業に比べて、労働環境や福利厚生の整備が進んでいる企業が多い傾向にあります。

特に、大手企業や先進的なIT企業では、産休・育休制度はもちろん、時短勤務や託児所補助といった、女性のライフイベントをサポートする制度が充実しています。

エンジニアという専門職は、一度スキルを身につければ、育児などで一時的にキャリアを離れた後も復職しやすいという強みがあります。

制度が整った企業を選ぶことで、出産や育児といったライフステージの変化にも柔軟に対応しながら、キャリアを継続させることが可能です。

性別を問わずスキルで判断される

エンジニアの世界は、実力主義です。
性別や年齢、学歴よりも、持っている技術力や問題解決能力が正当に評価されます。

インフラを安定稼働させるという明確なミッションがあるため、成果が客観的に判断されやすいのです。

性別による不当な評価を受けることが少なく、自身のスキルを磨くことに集中できる環境は、キャリア志向の女性にとって大きな魅力でしょう。

確かな技術力を身につければ、性別や学歴に関係なく第一線で活躍し続けることができます。

女性インフラエンジニアは少ないので逆に重宝される

女性比率が低いということは、見方を変えれば大きなチャンスです。

ダイバーシティ（多様性）を重視する企業が増える中、女性エンジニアは非常に貴重な存在となります。
女性は、チームに多様な視点をもたらす人材として、採用市場での需要は高い傾向にあります。

また、きめ細やかなコミュニケーション能力や丁寧なドキュメント作成能力など、女性ならではの強みを活かせる場面も少なくありません。

ダイバーシティ推進の影響で女性インフラエンジニアの採用は活発化している！

2025年現在、多くの企業がダイバーシティ＆インクルージョン（D&I）を経営の重要課題として掲げています。

多様な人材が活躍できる環境を整えることが、企業の競争力向上に繋がると考えられているからです。

この流れはIT業界も例外ではなく、女性エンジニアの採用や育成に力を入れる企業が急増しています。

女性向けのキャリアイベントの開催や、メンター制度の導入、管理職への積極的な登用など、具体的な取り組みが進められています。

このような社会的な後押しがある今、女性がインフラエンジニアとしてキャリアを築くには絶好のタイミングといえるでしょう。

未経験の女性がインフラエンジニアを目指せるプログラミングスクール

未経験からインフラエンジニアを目指すなら、専門のスクールを活用するのが効率的です。
ここでは、インフラ分野に強みを持つ3つのスクールを紹介します。

RaiseTech（レイズテック）

参照：https://raise-tech.net/

RaiseTechは、現場で通用する技術を最速で身につけることを目指す、実践的なスクールです。
特にAWSに特化したコースが有名で、クラウド時代に必須のスキルを体系的に学べます。

現役エンジニアによる徹底的なサポートと、半永久的な学習コンテンツの閲覧権が魅力です。

本気でクラウドエンジニアを目指したい女性におすすめの選択肢といえるでしょう。

ネットビジョンアカデミー

画像引用：https://www.netvisionacademy.com/

ネットビジョンアカデミーは、ネットワークエンジニアの育成に特化した無料のスクールです。
CCNAの資格取得を目標に、実機を使った研修で実践的なスキルを習得できます。

上京支援制度や就職サポートも充実しており、地方在住の方でも挑戦しやすい環境が整っています。

まずはネットワークの基礎から固めたいという方におすすめです。

ササエル

画像引用：https://www.sasa-yell.tech/

ササエルは、インフラエンジニアの基礎から応用までを学べるオンラインスクールです。

サーバー、ネットワーク、クラウドといったインフラ技術を幅広くカバーしており、24時間対応のチャットサポートで学習中の疑問をすぐに解消できます。

自分のペースで学習を進めながら、体系的な知識を身につけたいと考えている女性にぴったりのサービスでしょう。

まとめ

以上、「女性でインフラエンジニアはやめとけ」と言われる理由や、リアルな実態、そして女性がインフラエンジニアを目指す多くのメリットについて解説しました。

かつての「力仕事」「不規則な勤務」といったイメージは、クラウド化と働き方改革によって大きく変わりつつあります。
むしろ、リモートワークとの親和性の高さや、スキルが正当に評価される環境は、女性が長期的なキャリアを築く上で大きな追い風となるでしょう。