インターネット上では、「プログラミングスクール卒業生は使えない」という声を目にすることがあります。
これからプログラミングスクールへの入学を検討している方にとって、このような意見を見てしまうと、大いに不安を感じてしまうでしょう。
しかし結論からお伝えすると、「プログラミングスクール卒業生だから使えない」などということはありません。
大事なのは、どんなスクールを選ぶか、そしてどのような姿勢で勉強に打ち込むか、なのです。
この記事では、これらの点についてさらに詳しく解説していきます。
【本記事の信頼性】
- 執筆者は元エンジニア
- 大手プログラミングスクールのWebディレクター兼ライターを経験
- 自らも地元密着型のプログラミングスクールを運営
受講生から評判の良いプログラミングスクール
スクール |
特徴 |
受講料金 |
大手比較サイトで4年連続人気NO.1!受講生からの評判も非常に高く、Web系のエンジニアを目指すならRUNTEQ一択。 | 550,000円(給付金適用あり) | |
月単価80万円以上の現役エンジニア講師による指導!一度入会すればサポートは半永久的。 | 498,000円 | |
格安で質の高いWeb制作スキルを習得したい人におすすめ!業界最安級の料金でありながら、コミュニティやサポートが充実。 | 129,800円~ | |
完全無料でプログラミングが学べる貴重なスクール!最短1ヶ月で卒業可能。ゼロスク運営会社への就職もできる。 | 無料 | |
長期間に渡って学習し、希少人材を目指す人に最適なスクール!受講料は高いものの、高収入を得られる人材を目指せる。 | 96~132万円 |
プログラミングスクールの卒業生が使えないと言われる理由4選
まずは、なぜ「プログラミングスクールの卒業生は使えない」などと言われてしまうのか、その主な理由について紹介していきます。
実務経験がない
プログラミングスクールで学ぶカリキュラムと、実際の開発現場(実務)との間には、残念ながらギャップが存在します。
スクールでは、個人でゼロからアプリケーションを開発することが多いでしょう。
しかし、実務では複数人のチームで、すでに存在する複雑なコードを修正・機能追加していく場面がほとんどです。
また実務では、Gitを使ったバージョン管理、コードレビューの文化、詳細な要件定義に基づいた開発など、スクールでは体験しきれないチーム開発特有のプロセスが数多くあります。
採用する企業側は、卒業生がこれらの実務上の動きをすぐに理解できない点を懸念し、「実務経験がないから使えないだろう」と評価する人も出てきてしまうのです。
ただし、質の高いスクールならば、「現場レベルの高いスキル」や「チームでの開発経験」が得られるため、就職先の企業から「使えない」と判断される可能性は低くなります。
ただ卒業しただけでプログラミングスキルが低い
プログラミングスクールによっては、卒業基準が比較的緩く設定されている場合があります。
課題をこなすことに重点を置きすぎて、根本的な理解が不十分なまま修了してしまうケースもあるのです。
特に短期集中型のコースでは、限られた時間の中で多くの内容を詰め込むため、表面的な知識に留まってしまうことが珍しくないでしょう。
これでは、コードを書けても、なぜそのような書き方をするのか、どのような場面で使うべきかといった応用力が不足してしまいます。
さらに、エラーが発生した際の対処方法や、効率的なデバッグの技術なども実践不足となりがちです。
自走力が足りない
IT業界で使われる「自走力」とは、未知の問題やエラーに直面した際に、自分で調べて解決策を見つけ出し、学習を進めていける能力を指します。
開発現場では、誰も答えを知らない問題に日々直面するため、この自走力は極めて重要なスキルです。
プログラミングスクールの中には、手厚いサポートを売りにするあまり、受講生が自分で考える前に講師がすぐ答えを教えてしまう環境になっている場合があります。
こうした環境に慣れてしまうと、いざ就職した際に、公式ドキュメントを読んだり、エラーメッセージで検索したりといった基本的な問題解決行動が取れなくなってしまいます。
「すぐに質問して答えを待つ」という姿勢が身についていると、現場では「自走力がない、使えない」と評価されてしまうでしょう。
自走力を鍛えることにこだわったスクールを選ばなければ、「使えない卒業生」になってしまうリスクが高まります。
採用されたら安心して勉強しなくなる
プログラミングスクールに通う人の中には、「エンジニアとして就職・転職すること」自体を最終目標に設定してしまっているケースが見られます。
無事に内定を獲得すると、そこで安心してしまい、自己学習を止めてしまうのです。
しかし、IT業界の技術進化のスピードは非常に速く、エンジニアである限り、常に新しい技術や知識を学び続ける必要があります。
むしろ、エンジニアとしてのキャリアは、就職してからが本当のスタートと言えるでしょう。
入社後に学習意欲が見られない、成長が止まってしまったと判断されると、結果的に「スクール卒業生は入ってから伸びない」というレッテルを貼られる原因になってしまいます。
本当に「プログラミングスクールの卒業生」はお断りされる?
「使えない」という厳しい意見がある一方で、多くのスクール卒業生が未経験からエンジニアへの転職を成功させているのも事実です。
企業側の本音はどこにあるのでしょうか。
「プログラミングスクールの卒業生だから」という理由で断られることはない
結論から言うと、採用担当者が「プログラミングスクールを卒業したから」という経歴だけを理由に、機械的に不採用にすることはまずありません。
多くの企業は、候補者がどのような経緯でスキルを学んだかよりも、現時点でどのような能力を持っているかを重視します。
もし不採用になったとすれば、その理由はスクール卒業という経歴自体ではなく、面接で示されたスキルレベルやポートフォリオの質が、その企業が求める基準に達していなかったためと考えるのが自然です。
「スクール卒」などの経歴はあくまで参考情報であり、最終的な判断は個人の実力に基づいて下されると理解してください。
重要なのは「現状のスキル」と「ポートフォリオの質」
採用選考において、企業が最も注目するのは「この人は入社後に自社の戦力として活躍してくれるか」というポテンシャルです。
そのポテンシャルを判断するための材料が、「現状のスキル」と「ポートフォリオの質」になります。
現状のスキルとは、コーディング試験や面接での技術的な質疑応答で測られます。
ポートフォリオは、自身の技術力や学習意欲を証明するための最も重要な成果物です。
スクールの課題をただ提出しただけのような画一的なものではなく、自分自身のアイデアでオリジナルの機能を実装しているか、なぜその技術を選んだのかを論理的に説明できるか、といった点が厳しく評価されます。
質の高いポートフォリオは、実務経験のなさを補って余りあるアピール材料となり得ます。
プログラミングスクール卒業生が使えないかどうかは人それぞれ
結局のところ、「プログラミングスクールの卒業生が使えるか、使えないか」という問いの答えは、完全にその人次第です。
スクールはあくまで学習の機会と環境を提供するツールであり、そのツールをどう活用するかは個人の主体性に委ねられています。
例えば、同じスクールを卒業したAさんとBさんがいるとします。
Aさんは、カリキュラムをこなすだけでなく、興味を持った技術を自分で深掘りし、オリジナリティのあるポートフォリオを制作しました。
一方、Bさんは最低限の課題を提出して卒業しただけでした。
この二人が同じ「スクール卒業生」という肩書きでも、企業からの評価が全く異なるのは当然のことでしょう。
スクールを卒業したという事実が個人の能力を保証するわけではなく、本人の努力と意欲がすべてを決定づけるのです。
使えないスクール卒業生にならないために意識すべきこと
それでは、スクールでの学習効果を最大化し、企業から「ぜひ採用したい」と思われる人材になるためには、どのようなことを意識すればよいのでしょうか。
就職後も勉強を継続する
プログラミングスクール卒業は、ゴールではなく、エンジニアとしてのキャリアのスタートラインです。
就職後も、常に学び続けるという意識を持つことが最も重要になります。
具体的には、業務で使われている技術のキャッチアップはもちろんのこと、新しいプログラミング言語やフレームワークを学んだり、技術カンファレンスに参加したり、技術書を読んだりと、能動的に知識を吸収する習慣を身につけてください。
その姿勢は、必ず自身のスキルアップと社内での評価につながるでしょう。
すぐに質問せずに自走力を鍛える
スクールの学習期間中から、自走力を意識的に鍛えることが大切です。
エラーが発生したり、分からないことに遭遇したりした際に、すぐに講師に答えを求めるのではなく、まずは自分で解決を試みる習慣をつけてください。
- エラーメッセージを正確に読み解く
- 公式ドキュメントを参照する
- キーワードを工夫して検索する
このような行動を粘り強く試してみましょう。
自分で徹底的に試行錯誤し、それでも解決しない場合にはじめて、「何を、どこまで試したか」を明確にした上で質問するのです。
このプロセスが、現場で通用する本物の問題解決能力を養います。
GitHubでポートフォリオを更新し続ける
ポートフォリオは、一度作って終わりではありません。
GitHub上でポートフォリオのソースコードを公開し、学習した新しい技術を使って機能を追加したり、既存のコードをより良い設計に修正(リファクタリング)したりと、継続的に更新し続けることをおすすめします。
GitHubの活動履歴(草と呼ばれる緑色のコントリビューション)は、候補者の学習意欲や継続性を客観的に示す強力な証拠となります。
採用担当者は、卒業時点の成果物だけでなく、その後の成長の軌跡にも注目しているのです。
「使えない」と言われないためのプログラミングスクール選びのコツ
個人の努力はもちろん重要ですが、そもそも成長を促してくれる質の高いスクールを選ぶことも同じくらい重要です。
「卒業したはいいものの、何も身についていなかった」という事態を避けるために、スクール選びの際は以下の点をチェックしてください。
自走力を重視しているか
カリキュラムが、単なる動画視聴やチュートリアルの模写に終始していないかを確認しましょう。
受講生が自ら考え、試行錯誤する機会を意図的に設けているスクールが理想的です。
例えば、ヒントだけを与えて実装を促す課題や、答えが一つではない実践的なチーム開発演習などがあるかが一つの指標になります。
手厚いサポートも重要ですが、過度な「お世話」は自走力を削ぐ可能性があることを念頭に置いてください。
講師のレベルは低くないか
講師が現役のエンジニアであることは、最低限の条件と言えるでしょう。
技術は日々進化しているため、現場の第一線で活躍しているエンジニアからしか学べない生きた知識は数多くあります。
可能であれば、無料カウンセリングなどの機会を利用して、講師がどのような経歴を持っているのか、技術的な質問に対して的確に答えられるかなどを確認することをお勧めします。
企業への紹介料目当てのスクールではないか
一部のプログラミングスクールには、提携企業に卒業生を紹介することで得られる紹介料を主な収益源としているところも存在します。
こうしたスクールは、受講生のスキルアップよりも「とにかく提携企業に就職させること」が目的になりがちで、教育の質が低い可能性があります。
紹介料を得ているプログラミングスクールのすべてが質が低いわけではありませんが、「転職成功率100%」といった謳い文句や、特定のSES企業への転職実績ばかりを強調している場合は、少し注意が必要かもしれません。
ポートフォリオ支援に力を入れているか
質の高いポートフォリオ制作をサポートしてくれるかは、非常に重要な判断基準です。
単にカリキュラムの成果物をポートフォリオと呼ぶのではなく、受講生一人ひとりのアイデアに基づいたオリジナル作品の企画から設計、実装までをサポートしてくれるスクールを選びましょう。
他の受講生と差別化された、自身の強みをアピールできるポートフォリオを作れるかどうかが、転職活動の成否を大きく左右します。
「失敗しないプログラミングスクール」の代表格3選
この項目では、上記の「失敗しないスクール選び」に該当する、質の高い教育と実践的なカリキュラムで定評のあるプログラミングスクールを厳選して紹介します。
それぞれに特徴があるため、自分の学習スタイルや目標に合わせて選択してください。
RUNTEQ(ランテック)
RUNTEQは、実践的な開発経験を重視したカリキュラムで知られるプログラミングスクールで、巨大比較サイト「マイベスト」の調査で、4年連続NO.1となっているほど人気のスクールです。
1000時間の実践的なカリキュラムで、実務に近い開発経験を積み、現場で求められるスキルを習得できるという特徴があり、即戦力となるエンジニア育成に力を入れています。
Webアプリケーション開発に特化しており、RubyやRails、JavaScriptを中心とした技術スタックを深く学べるのが魅力でしょう。
現役エンジニアによるコードレビューが充実していることから、実務レベルのコーディング技術を身につけられます。
また、卒業後のキャリアサポートも手厚く、長期的な成長を見据えた指導を受けることが可能です。
RaiseTech(レイズテック)
RaiseTechは、現場で使われる最新技術を学べることで評価の高いプログラミングスクールです。
AWS(Amazon Web Services)を活用したクラウド開発技術や、現代的なフロントエンド技術を実践的に学習できる環境が整っています。
講師陣は、全員が月単価80万円を超える現役エンジニアであり、実務経験に基づいた指導を受けられるのが大きな特徴です。
受講生同士のコミュニティも活発で、互いに刺激し合いながら学習を進められる環境があります。
就職後も継続して学習サポートを受けられる制度があり、長期的なキャリア形成をサポートしてもらえるでしょう。
SkillHacks(スキルハックス)
SkillHacksは、買い切り型のオンライン学習サービスとして、コストパフォーマンスの高さで人気を集めています。
動画教材を中心とした学習スタイルで、自分のペースで進められるのが特徴です。
LINEを使った質問サポートが無制限で利用でき、わからない点をすぐに解決できる環境が整っています。
Web開発の基礎から応用まで幅広くカバーしており、初心者でも段階的にスキルアップできるカリキュラム構成となっています。
料金が他のスクールと比べてかなり低く設定されているため、経済的な負担を抑えながらプログラミング学習を始められるのも魅力の一つでしょう。
まとめ
「プログラミングスクールの卒業生は使えない」という言葉は、一部事実ではありますが、すべての卒業生に当てはまるわけではありません。
結局のところ、プログラミングスクールは、「エンジニアになるための強力なブースター」であり、最終的に目的地にたどり着けるかどうかは、自分自身のエンジン、つまり学習意欲と主体性にかかっているのです。
「使えない」と判断されるかどうかはあくまで自分次第であるため、質の高いスクールを選び、そのスクールをフル活用して自分のスキルを伸ばしてください。