システムエンジニア(SE)という職業に興味はあるものの、「何から勉強を始めたらいいのかわからない」と悩んでいる方は少なくないでしょう。
システムエンジニアになるには、専門的な知識が求められるため、学習の第一歩を踏み出すのに勇気がいるかもしれません。
そこでこの記事では、未経験からシステムエンジニアを目指す方に向けて、具体的な学習の順番を6つのステップに分けたロードマップを公開します。
さらに、学ぶべきプログラミング言語や、技術以外に必要なスキル、自分に合った勉強法まで幅広く紹介していきますので、是非参考にしてください。
【本記事の信頼性】
- 執筆者は元エンジニア
- 大手プログラミングスクールのWebディレクター兼ライターを経験
- 自らも地元密着型のプログラミングスクールを運営
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そもそもシステムエンジニア(SE)の仕事内容とは
効果的な学習を始める前に、まずはシステムエンジニアがどのような仕事をするのかを正しく理解することが重要です。
仕事内容を知ることで、これから学ぶ知識がどのように活かされるのかを具体的にイメージでき、学習のモチベーション維持にも繋がります。
システムエンジニアの主な役割は、顧客の要望をヒアリングし、それを実現するための情報システムの設計図を作成することです。
仕事の範囲は幅広く、一般的に「上流工程」と「下流工程」に分けられます。
上流工程
顧客が抱える課題やニーズを分析し、どのようなシステムを作るかを決める「要件定義」や、システムの基本的な骨格を決める「基本設計」、基本設計をもとに、プログラマーがコーディングできるように詳細な仕様を決める「詳細設計」などがあります。
下流工程
詳細設計に沿って進めるコーディング作業や、完成したシステムが設計通りに動くかを確認する「テスト」や「デバッグ」などがあります。
このように、SEは顧客と開発チームの橋渡し役として、コミュニケーションを取りながらプロジェクト全体を管理する、非常に重要なポジションを担うのです。
プログラミングだけでなく、幅広い知識とスキルが求められることを念頭に置いておきましょう。
未経験からシステムエンジニアになるための学習ロードマップ
システムエンジニアに必要なスキルは多岐にわたるため、やみくもに学習を始めると挫折しやすくなります。
ここでは、知識を効率的に積み上げていくための基本的な学習ロードマップを6つのステップで紹介します。
【STEP1】ITの基礎知識を身につける
何よりもまず、ITの土台となる基礎知識を固めることから始めましょう。
コンピュータがどのように動いているのか(ハードウェア、ソフトウェア、OS)、データがどのように表現されるのか(2進数など)、といった基本的な仕組みの理解が不可欠です。
これらの知識は、今後プログラミングやネットワークなどを学ぶ上での共通言語となります。
初心者の方は、ITパスポートや基本情報技術者試験といった国家資格の参考書を活用するのがおすすめです。
試験の合格を目指すことで、システム開発に必要な知識を体系的にバランスよく学ぶことができます。
すべての内容を完璧に暗記する必要はありませんが、知らない用語が出てきたときに自分で調べられる程度の知識を身につけることを目標にしてください。
【STEP2】プログラミングの基礎を学ぶ
システムの設計を行うシステムエンジニアにとって、プログラミングの知識は必須です。
自分でコードを書く機会はあまりないかもしれませんが、プログラマーに的確な指示を出したり、開発工数を見積もったりするためには、プログラミングの仕組みを理解していなければなりません。
まずは、比較的文法がわかりやすいPythonや、Webアプリケーションで広く使われるJavaScriptなど、学びやすい言語を一つ選んで基礎を学習してみましょう。
Progateやドットインストールといったオンライン学習サイトを利用すれば、実際に手を動かしながら変数、条件分岐、繰り返し処理といった基本文法を無理なく習得できます。
ここで重要なのは、完璧を目指すのではなく、プログラムが動く楽しさを実感することです。
【STEP3】データベースとSQLを理解する
現代のほとんどのシステムは、顧客情報や商品データなどを保存・管理するためにデータベースを利用しています。
システムエンジニアは、このデータベースを効率的に操作するための言語「SQL」を理解している必要があります。
SQLを学ぶことで、どのようにデータが格納され、どのように取り出されるのかがわかります。
SELECT文(データ検索)、INSERT文(データ追加)、UPDATE文(データ更新)、DELETE文(データ削除)といった基本的な命令を実際に書いて試してみましょう。
Web上でSQLを試せるサービスや、自分のPCに無料のデータベース(MySQL、PostgreSQLなど)をインストールして学習を進めるのが効果的です。
また、SQL関連の資格取得を目指すのもよいでしょう。
【STEP4】ネットワークとサーバーの知識を習得する
開発したシステムを動かすためには、サーバーやネットワークといったインフラの知識が欠かせません。
Webシステムがどのような仕組みでインターネットを通じてユーザーに届けられるのか、その全体像を掴むことが重要です。
具体的には、Webサーバーやアプリケーションサーバーの役割、IPアドレスやTCP/IPといった通信プロトコルの基本的な概念を学ぶ必要があります。
また、システムが稼働するOSとして広く使われているLinuxの基本的なコマンド操作(ファイルの作成、移動、権限変更など)も習得しておくと、後のキャリアで大いに役立ちます。
【STEP5】クラウド技術の基本に触れる
現在、システム開発においてクラウドサービスの利用は当たり前になっています。
自社でサーバーを持たずに、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)といったクラウドプラットフォーム上でシステムを構築するケースが非常に増えています。
そのため、システムエンジニアにもクラウドに関する基本的な知識はもはや必須です。
まずは、代表的なサービスであるAWSに無料アカウントで登録し、どのようなサービスがあるのかを実際に見てみるのがおすすめです。
サーバーを仮想的に構築するサービス(Amazon EC2)や、データを保存するサービス(Amazon S3)など、基本的なサービスに触れておくだけでも、現代的なシステム構成のイメージが掴みやすくなります。
【STEP6】システム開発の流れと設計手法を知る
最後に、これまでに学んだ個別の技術知識を統合し、システム全体をどのように作り上げていくのか、その流れと手法を学びます。
システム開発には、古くからある「ウォーターフォール開発」や、近年主流となっている「アジャイル開発」といった手法が存在します。
顧客へのヒアリングから始まる「要件定義」から、「設計」「開発」「テスト」「リリース」「運用」に至るまでの一連のプロセスを理解しましょう。
また、システムの機能やデータの流れを図で表現するUML(統一モデリング言語)などの設計表記法にも触れておくと、設計書の内容を理解しやすくなります。
この段階の知識は、システムエンジニアのコア業務に直結する非常に重要な部分です。
システムエンジニアの勉強で学ぶべきプログラミング言語
システムエンジニアが扱うプログラミング言語は、開発するシステムの目的や種類によって異なります。
ここでは、需要が高く、未経験者の学習にもおすすめな言語を3つ紹介します。
業務システム開発で需要が高い「Java」
Javaは、金融機関の基幹システムや大企業の業務システムなど、高い信頼性や堅牢性が求められる大規模な開発で長年使われ続けている言語です。
OSに依存しないという特徴があり、WebアプリケーションからAndroidアプリまで幅広い開発に対応できます。
求人数が安定して多く、一度習得すれば様々な現場で活躍できるため、キャリアの安定性を重視する方におすすめです。
文法が厳密であるため学習コストはやや高いですが、オブジェクト指向の概念をしっかり学べるというメリットもあります。
AI・機械学習分野で注目の「Python」
Pythonは、シンプルで読みやすい文法が特徴で、プログラミング初心者でも学びやすい言語として近年絶大な人気を誇ります。
Webアプリケーション開発はもちろんのこと、AI(人工知能)や機械学習、データサイエンスといった最先端分野で標準的に利用されています。
豊富なライブラリが存在するため、少ないコード量で複雑な処理を実装できるのが強みです。
将来性の高い分野で活躍したいと考えているなら、最初に学ぶ言語として非常に有力な選択肢となるでしょう。
Webに特化したサーバーサイド言語「PHP」
PHPは、WebアプリケーションやWebサイトのバックエンド開発に特化して設計された、サーバーサイドのスクリプト言語です。
世界で最も利用されているCMSである「WordPress」が、PHPで作られていることは非常に有名でしょう。
比較的文法が簡単で、HTMLに直接コードを埋め込める手軽さから、プログラミング初学者が最初に学ぶ言語としても人気があります。
世の中の多くのWebサイトがPHPで構築されているため、求人数が非常に多く、特にWeb制作の分野でキャリアを築きたい場合に有力な選択肢となります。
Laravelなどの優れたフレームワークも充実しており、効率的で大規模なWebアプリケーション開発にも対応できるだけの力を持っています。
技術だけじゃない!システムエンジニアに必要なソフトスキル
システムエンジニアとして成功するには、プログラミングなどの技術力(ハードスキル)と同じくらい、対人関係や思考法に関する能力(ソフトスキル)が重要になります。
ここでは特に重要な3つのスキルを解説します。
コミュニケーション能力
システムエンジニアは、顧客、プロジェクトマネージャー、プログラマー、デザイナーなど、非常に多くの人と関わりながら仕事を進めます。
- 顧客が本当に求めていることをヒアリングで引き出す力
- 専門用語を使わずにわかりやすくシステムの説明をする力
- 開発チームのメンバーに進捗確認や的確な指示を出す力
このように、あらゆる場面で高いコミュニケーション能力が求められます。
この能力がプロジェクトの成否を左右すると言っても過言ではありません。
論理的思考力
論理的思考力は、物事を体系的に整理し、筋道を立てて考える能力のことです。
顧客の曖昧な要望を整理して矛盾のない仕様に落とし込んだり、システムにエラーが発生した際に原因を特定したりする際に不可欠なスキルです。
システムエンジニアには、複雑な問題を小さな要素に分解し、それぞれの関係性を考えながら最適な解決策を導き出す力が求められます。
日頃から「なぜそうなるのか?」を考え、物事を論理的・合理的に捉える癖をつけることが訓練になります。
マネジメント能力
プロジェクトは、納期や予算といった制約の中で進められます。
システムエンジニア、特にリーダー的な立場になると、プロジェクト全体の進捗を管理し、課題が発生すれば解決策を講じるマネジメント能力が必要になります。
タスクの優先順位を判断したり、メンバーの作業状況を把握して適切にサポートしたりと、チーム全体が円滑に動くように調整する役割を担います。
まずは自分自身のタスク管理から始め、計画的に物事を進める習慣を身につけましょう。
【目的別】システムエンジニアになるためのおすすめ勉強法
システムエンジニアになるための学習方法は一つではありません。
自分の性格やライフスタイル、かけられるコストに合わせて最適な方法を選びましょう。
独学:コストを抑えて自分のペースで進めたい人向け
書籍やオンライン学習サイトなどを活用して、自分の力で学習を進める方法です。
最大のメリットは、費用を安く抑えられることと、時間や場所にとらわれず自分のペースで学習できる点です。
一方で、疑問点が出てきたときに質問できる相手がいないため、挫折しやすいというデメリットもあります。
また、学習計画をすべて自分で立てる必要があるため、強い自己管理能力が求められます。
プログラミングスクール:効率的に実践スキルを学びたい人向け
専門のカリキュラムに沿って、講師のサポートを受けながら学習する方法です。
体系立てられたロードマップに沿って学べるため、効率的に知識を習得できます。
わからないことをすぐに質問できる環境や、共に学ぶ仲間がいることでモチベーションを維持しやすいのが大きなメリットです。
転職サポートが充実しているスクールも多くありますが、数十万円単位の受講料がかかる点がデメリットと言えるでしょう。
その分、短期間で高いスキルを習得することができます。
未経験者がシステムエンジニアの勉強を始める際のQ&A
最後に、未経験からシステムエンジニアを目指す方が抱きがちな疑問についてお答えします。
Q1. 文系でもシステムエンジニアになれますか?
結論から言うと、文系出身でもシステムエンジニアになることは十分に可能です。
実際の開発現場でも、多くの文系出身エンジニアが活躍しています。
前述の通り、システムエンジニアは技術力だけでなく、顧客の意図を汲み取るコミュニケーションスキルや、仕様をまとめる能力といったソフトスキルも非常に重要です。
これらは文系出身者が得意とすることも多く、大きな強みとなり得ます。
Q2. 未経験からSEになるために必要な勉強時間はどのくらいですか?
学習を始める前のIT知識のレベルによって大きく異なりますが、一般的に、未経験者がシステムエンジニアとして就職できるレベルのスキルを身につけるには、500時間から1,000時間程度の勉強が必要です。
例えば、1日に2〜3時間勉強するとして、半年から1年程度の期間を見込んでおくとよいでしょう。
重要なのは、学習を継続することです。
無理のない計画を立て、毎日少しずつでもITに触れる習慣を作ることが成功への近道となります。
Q3. ポートフォリオは必要ですか?
未経験者の就職・転職活動において、ポートフォリオ(自分のスキルを証明するための作品集)は非常に強力な武器になります。
学習した知識を使って、実際に自分で簡単なWebアプリケーションやツールなどを作成し、その成果物を提示することで、企業に対して学習意欲の高さと実践的なスキルをアピールできます。
単に「〇〇を勉強しました」と伝えるよりも、はるかに説得力が増すため、是非作成に挑戦してみてください。
まとめ
システムエンジニアになるための学習は、決して簡単な道のりではありませんが、正しいロードマップに沿って一歩ずつ進めれば、未経験からでも十分に目指すことが可能です。
まずはITの基礎知識を固め、プログラミングやデータベース、インフラといった専門知識を順に学んでいきましょう。
そして、技術の習得と並行して、コミュニケーション能力などのソフトスキルを意識することも忘れないでください。