AI・機械学習ブームの中心にあるPythonは、2025年において最も注目度の高いプログラミング言語の一つです。
特にデータサイエンティストやAIエンジニアを目指す方にとって、Python関連資格の取得は重要なキャリア戦略となっています。
しかし、「どの資格から目指せばいいのか分からない」「各資格の難易度や勉強時間の目安が知りたい」といった悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、国内外の主要なPython資格8つの、それぞれ特徴や難易度、合格に必要な勉強時間などについて詳しく解説していきます。
資格取得のメリットや、初心者におすすめの資格などについても紹介しますので、是非最後までご覧ください。
【本記事の信頼性】
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Python資格一覧!難易度や必要な勉強時間を比較
Pythonには、国外・国内合わせて8種類の主要な資格が存在します。
この項目では、8つのPython資格について、難易度や必要な勉強時間、合格率などについて、徹底的に比較していきます。
Python3エンジニア認定基礎試験
受験日 | 通年(全国のCBTテストセンター) |
出題形式 | 選択問題(40問) |
受験料 | 11,000円(学割:5,500円) |
試験範囲 | Pythonチュートリアル第4版の基礎文法 |
合格率 | 75~80% |
難易度 | ★★☆☆☆(やや簡単) |
合格に必要な勉強時間 | 40~80時間(初心者は100時間程度) |
Python3エンジニア認定基礎試験は、Pythonの基本的な文法と概念を理解していることを証明する入門レベルの資格です。
一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が実施しており、Pythonエンジニアとしての第一歩として位置づけられています。
出題範囲は「Pythonチュートリアル第4版」に準拠しており、変数や制御構造、データ構造などPythonプログラミングの基礎概念を中心に問われます。
合格率が75~80%と比較的高めですが、これは受験者の多くが事前にしっかりと学習してから試験に臨んでいるためです。
プログラミング未経験者でも3ヶ月程度の学習で合格可能な難易度となっているため、まずはこちらの資格取得から目指すのもよいでしょう。
Python3エンジニア認定データ分析試験
受験日 | 通年(全国のCBTテストセンター) |
出題形式 | 選択問題(40問) |
受験料 | 11,000円(学割:5,500円) |
試験範囲 | Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書 |
合格率 | 80%以上 |
難易度 | ★★★☆☆(普通) |
合格に必要な勉強時間 | 60~120時間 |
Python3エンジニア認定データ分析試験は、2020年にスタートした比較的新しい資格で、Pythonを使ったデータ分析に特化した知識が問われます。
主教材である「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書」から出題され、NumPy、pandas、Matplotlib、scikit-learnなどのライブラリの使用方法が重要なポイントです。
この試験は基礎試験を受験せずに挑戦することも可能ですが、Pythonの基本的な文法理解は前提となります。
Python3エンジニア認定データ分析試験は、データサイエンティストやAIエンジニアを目指す方にとって価値の高い資格として認知されており、データ分析領域での就職・転職において有利に働くケースが多いです。
Python3エンジニア認定実践試験
受験日 | 通年(全国のCBTテストセンター) |
出題形式 | 選択問題(40問) |
受験料 | 13,200円(学割:6,600円) |
試験範囲 | 実践的なPythonライブラリと仕様 |
合格率 | 非公開(推定60~70%) |
難易度 | ★★★★☆(やや難しい) |
合格に必要な勉強時間 | 100~200時間 |
Python3エンジニア認定実践試験は、2023年に開始された最新の資格で、Pythonを実際の開発現場で活用するために必要な知識が問われます。
標準ライブラリの詳細な使い方、パッケージ管理、テスト手法など、より実践的な内容が出題範囲に含まれています。
他の2つの試験と比較して難易度が高く設定されており、単純な文法理解だけでなく、Pythonの仕様や背景にある設計思想まで理解する必要があります。
現役のPythonエンジニアでも十分な準備期間を確保して挑戦することが推奨される、上級者向けの資格といえるでしょう。
PythonZen&PEP8検定試験
受験日 | 24時間いつでも(WBT方式) |
出題形式 | 選択問題(20問) |
受験料 | 無料 |
試験範囲 | PythonZen(PEP20)とPEP8 |
合格率 | 非公開(高めと推測) |
難易度 | ★☆☆☆☆(簡単) |
合格に必要な勉強時間 | 5~10時間 |
PythonZen&PEP8検定試験は、2022年に開始された無料の資格試験です。
PythonZen(The Zen of Python)とPEP8(Python Enhancement Proposal 8)に関する知識が問われ、Pythonの設計思想とコーディング規約の理解度を測ります。
この試験の特徴は受験料が無料であることと、インターネット環境があればいつでも受験可能なことです。
Pythonの適切な記述方法や開発文化を学ぶ入門として位置づけられており、他の資格取得前の準備運動として活用されることも多くなっています。
問題数も20問と少なく、短時間で受験可能な点も魅力的です。
PCEP-Certified Entry-Level Python Programmer
受験日 | 通年(オンライン受験可能) |
出題形式 | 選択・穴埋め問題(30問) |
受験料 | 約59ドル(約8,500円) |
試験範囲 | Python基礎概念・文法 |
合格率 | 非公開(比較的高め) |
難易度 | ★★☆☆☆(やや簡単) |
合格に必要な勉強時間 | 50~100時間 |
PCEPは、OpenEDG Python Instituteが提供する国際的なPython資格です。
Python3エンジニア認定基礎試験とほぼ同等の難易度とされており、グローバルな環境での転職や外資系企業への就職を目指す方に適しています。
試験は英語で実施されるため、Pythonの技術的知識に加えて一定の英語読解力が必要です。
ただし、プログラミング関連の専門用語が中心となるため、一般的な英語能力試験ほど高い語学力は求められません。
PCAP™-Certified Associate in Python Programming
受験日 | 通年(Pearson VUE試験センター) |
出題形式 | 選択・穴埋め問題(40問) |
受験料 | 約295ドル(約42,000円) |
試験範囲 | OOP・モジュール・例外処理 |
合格率 | 非公開(中程度) |
難易度 | ★★★☆☆(普通) |
合格に必要な勉強時間 | 80~150時間 |
PCAPは、中級レベルのPython資格で、オブジェクト指向プログラミングや高度なPython機能の理解が問われます。
PCEPから一段階レベルアップした内容となっており、Pythonの包括的な技術習得を証明できる資格です。
他の資格と比較して受験料が高額ですが、その分国際的な認知度も高く、特に海外での就職活動では高く評価される傾向があります。
Pythonの深い理解と実践的なプログラミング能力が必要で、中級エンジニアとしてのスキルレベルを示すのに適した資格といえるでしょう。
PCPP-32-10x-Certified Professional in Python Programming 1
受験日 | 通年(Pearson VUE試験センター) |
出題形式 | 選択・穴埋め問題(40問) |
受験料 | 約295ドル(約42,000円) |
試験範囲 | 高度なOOP・GUI・ネットワーク |
合格率 | 非公開(低め) |
難易度 | ★★★★☆(やや難しい) |
合格に必要な勉強時間 | 150~300時間 |
PCPP1は、上級レベルのPython資格で、受験にはPCAPの合格が必要条件となっています。
高度なオブジェクト指向プログラミング、GUI開発、ネットワークプログラミングなど、プロフェッショナルレベルの技術が要求されます。
この試験に合格することで、Pythonエンジニアとしての高い技術力を国際的に証明できます。
特に大規模なアプリケーション開発やチームリーダーとしての役割を目指すエンジニアにとって価値の高い資格です。
日本国内でも認知度が徐々に高まっており、技術力の差別化を図る上で効果的な資格となっています。
PCPP-32-20x-Certified Professional in Python Programming 2
受験日 | 通年(Pearson VUE試験センター) |
出題形式 | 選択・穴埋め問題(40問) |
受験料 | 約295ドル(約42,000円) |
試験範囲 | パッケージ管理・デザインパターン・DB |
合格率 | 非公開(非常に低め) |
難易度 | ★★★★★(難しい) |
合格に必要な勉強時間 | 200~400時間 |
PCPP2は、最高レベルのPython資格で、PCAP・PCPP1の両方に合格していることが受験条件です。
パッケージの作成・配布、デザインパターン、データベースアクセス、並列処理など、エキスパートレベルの知識が必要となります。
この資格は2025年現在において、Pythonエンジニアが取得できる最難関の資格の一つです。
取得により、Python及び関連技術における最高レベルの専門知識を有していることを証明でき、シニアエンジニアやアーキテクト職での評価向上が期待できます。
Pythonの資格は意味ない?
一部では「Pythonの資格は実務に役立たない」という意見もありますが、この意見は必ずしも正しいとは言えません。
確かに、資格だけで実践的なプログラミング能力が完全に証明されるわけではありませんが、体系的な知識の習得や基礎固めという点では大きな価値があります。
特に未経験からPythonエンジニアを目指す場合、資格取得の過程で得られる知識は実務での土台となります。
また、転職市場では一定のスキルレベルを短時間で判断する材料として資格が活用されることも多く、書類選考の通過率向上に寄与する可能性が高いです。
重要なのは、資格取得を最終目標とするのではなく、継続的なスキル向上の一環として捉えることです。
Pythonの資格を取得するメリット
Pythonの資格を取得する主なメリットとして、以下のようなものがあります。
- エンジニア就職・転職の際に役立つ
- 資格手当によって年収が上がる
- スキルアップに繋がる
エンジニア就職・転職の際に役立つ
Python資格を取得する最大のメリットは、就職・転職活動における客観的なスキル証明に役立つことです。
採用担当者にとって、未知の候補者のプログラミング能力を短時間で評価するのは困難ですが、認定資格があることで一定の技術レベルを推測できます。
特にデータサイエンス職やAIエンジニア職では、Python3エンジニア認定データ分析試験の取得者が優遇される傾向が見られます。
また、資格取得により履歴書や職務経歴書での差別化を図ることができ、書類選考の通過率向上が期待できます。
資格手当によって年収が上がる
多くの企業では、資格取得に対して資格手当を支給する制度があり、Python関連資格も対象となることが増えています。
月額3,000円~10,000円程度の手当が一般的で、年間では36,000円~120,000円の収入増加が見込めます。
さらに、資格取得により昇進・昇格の機会が増える可能性もあります。
技術的な成長意欲を示す指標として評価され、プロジェクトリーダーやテックリードへの抜擢につながるケースも少なくありません。
長期的な視点で見ると、資格取得による投資効果は非常に高いといえるでしょう。
スキルアップに繋がる
資格取得の学習プロセスそのものが、体系的なスキルアップの機会となります。
独学でPythonを学んでいると知識に偏りが生じがちですが、資格試験の出題範囲を網羅的に学習することで、これまで触れていなかった領域の知識も習得できます。
そして、試験対策により実践的な問題解決能力も向上します。
選択問題とはいえ、コードの実行結果を予測したり、適切なライブラリの使用方法を選択したりする問題が多く含まれていることから、実務で遭遇する場面を想定した学習が可能です。
Pythonの資格の中でも初心者におすすめな資格は?
Python学習を始めたばかりの初心者には、「PythonZen&PEP8検定試験」から始めることを強く推奨します。
無料で受験できる上、Pythonの設計思想やコーディング規約という、プログラミングの根幹となる考え方を学べる点が大きなメリットです。
次のステップとしては「Python3エンジニア認定基礎試験」が適しています。
合格率75~80%と比較的高く、プログラミング未経験者でも3ヶ月程度の学習で合格可能な難易度設定となっています。
この資格により、Pythonの基本的な文法と概念を体系的に習得でき、さらなる学習への基盤が構築できます。
海外での活動を視野に入れている場合は、英語での受験となりますが「PCEP」も選択肢に入れる価値があるでしょう。
Pythonの資格を取得するための勉強方法
Python関連の資格を取得する際は、以下のような勉強法が効果的です。
- 認定テキストや参考書で知識を吸収する
- 過去問を解く
認定テキストや参考書で知識を吸収する
資格取得において最も重要なのは、各試験の認定テキストを中心とした学習です。
Python3エンジニア認定基礎試験では「Pythonチュートリアル第4版」、データ分析試験では「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書」が主教材として指定されており、これらを完全に理解することが合格への近道となります。
認定テキスト以外では、「いちばんやさしいPythonの教本」や「スラスラわかるPython」などの入門書も併用すると効果的です。
これらの書籍は初学者にも理解しやすい構成となっており、認定テキストだけでは理解が困難な部分を補完する役割を果たします。
過去問を解く
各資格には模擬試験や練習問題が用意されており、これらを活用した問題演習が合格には欠かせません。
認定スクールのダイビックやプライム・ストラテジーでは無料の模擬試験が公開されており、本番と同じ形式での練習が可能です。
過去問演習では、正解だけでなく不正解の選択肢についても理解を深めることが大切です。
なぜその選択肢が間違いなのかを明確にすることで、類似問題への対応力が向上し、より確実な合格につながります。
また、時間配分の練習も重要で、60分で40問を解くペース感覚を身につけておく必要があります。
まとめ
一部で「意味ない」と言われるPythonの資格ですが、実際はそうではなく、エンジニアのキャリア形成において非常に有効なツールとなっています。
AI・データサイエンス分野の急速な成長に伴い、Python技術者の需要は年々増加しているため、適切な資格取得により就職・転職市場での競争力を高めることが可能できるでしょう。
ただし、資格取得を目的化するのではなく、継続的な学習とスキル向上の手段として活用することを忘れないでください。
資格取得はあくまで通過点であることを意識することが大事です。
なお、資格取得の先にエンジニア転職を考えている場合は、プログラミングスクールの活用も有効です。
スクールならば、資格取得の支援はもちろん、充実したカリキュラムや転職サポートなどもあるため、短期間で高いスキルを習得することができます。
プログラミングスクール
■Webエンジニアの育成に特化 ■自社開発企業への転職成功率がダントツ ■ハイスキルを求める人に最適 |
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