プログラミング学習を始める際、JavaとRubyのどちらを選ぶべきか悩む人は多いでしょう。
どちらも学ぶ価値のある言語で魅力があるため、「どっちを選ぶべきか・・・」と決めかねてしまうのも無理はありません。
そこでこの記事では、JavaとRubyの違いについて徹底的に比較し、その違いについて詳しく解説していきます。
【本記事の信頼性】
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Javaの特徴
Javaは、1995年に誕生したプログラミング言語で、現在も世界中で用いられているプログラミング言語です。
最大の特徴は「一度プログラムを書けば、どんなコンピュータでも動く」という点にあります。
WindowsでもMacでもLinuxでも、同じプログラムがそのまま動作するため、多くの企業で採用されているのです。
身近な例では、Androidスマートフォンのアプリの多くがJavaで作られています。
また、銀行のATMシステムや、企業の業務システムなど、私たちの生活を支える重要なシステムでも活躍しています。
プログラムを実行する前に「コンパイル」という作業が必要ですが、この段階で多くのエラーを発見できるため、大規模なシステムを複数人で開発する際に、バグを減らしやすいという大きなメリットがあります。
また、20年以上の歴史があるため、困ったときに参考にできる情報や、便利な機能をまとめた「ライブラリ」が豊富に存在しているのも魅力です。
Rubyの特徴
Rubyは、日本人の「まつもとゆきひろ氏」が作ったプログラミング言語で、「プログラマーが楽しくコードを書けること」を最優先に設計されています。
英語に近い自然な書き方ができるため、初心者でも理解しやすく、プログラミングの楽しさを実感しやすい言語といえるでしょう。
最大の特徴は、同じ処理を書くときのコード量がJavaと比べて圧倒的に少ないことです。
例えば、画面に「Hello World」と表示するだけなら、Rubyではたった1行で済みます。
また、プログラムを書いたらすぐに実行できるため、試行錯誤しながら学習するのに最適です。
型の指定も必要ないため、より直感的にプログラミングできるでしょう。
Ruby on Railsという強力なフレームワークの存在も大きな魅力です。
これを使えば、X(旧Twitter)やAirbnbのような本格的なWebサービスを効率的に作ることができます。
日本発の言語ということもあり、日本語の学習資料も豊富に存在しています。
JavaとRubyの違い
JavaとRubyには、実行方式、文法、用途、将来性など様々な違いがあります。
それぞれの特徴を理解することで、自分の目的に合った言語を選ぶことができるでしょう。
ここでは、両言語の主要な違いを4つの観点から詳しく比較していきます。
用途
JavaとRubyは、それぞれ得意とする分野が異なります。
Javaは「大規模で安定性が求められるシステム」に向いています。
例えば、銀行の送金システムや、企業の在庫管理システムなど、絶対に止まってはいけない重要なシステムで使われることが多いです。

一方、Rubyは「素早く作って、どんどん改善していくWebサービス」に最適です。
新しいサービスのアイデアを思いついたとき、まずは動くものを作って、ユーザーの反応を見ながら改良していく、というスタイルに向いています。
実際、多くのベンチャー企業がRubyを採用しているのは、このスピード感があるからでしょう。
具体的な使用例を挙げると、Javaは楽天やYahoo!などの大規模ECサイトのバックエンド、金融機関のオンラインバンキング、企業の基幹システムなどで活用されています。
Rubyは、クックパッドやnote、食べログなどのWebサービス、スタートアップの新規サービス、社内ツールの開発などで広く使われているのです。
言語タイプ
JavaとRubyの最も大きな違いは、「コンパイラ型」と「インタプリタ型」という実行方式の違いです。
Javaはコンパイラ型で、人間が書いたプログラムを一度「機械語」という、コンピュータが理解できる形に翻訳してから実行します。
この翻訳作業を「コンパイル」と呼びますが、この段階で多くのエラーを発見できるため、実行時の不具合を減らせるでしょう。
一方、Rubyはインタプリタ型で、書いたプログラムをその場で1行ずつ解釈しながら実行します。
コンパイルの手間がないため、コードを書いてすぐに結果を確認できるのが大きなメリットですが、実行速度はコンパイル済みのJavaの方が一般的に速くなります。
この違いは開発スタイルにも影響を与えます。
Javaでは「設計→コーディング→コンパイル→テスト」というサイクルを回しますが、Rubyでは「コーディング→即実行→修正」という、より短いサイクルで開発を進められます。
初心者にとっては、すぐに結果が見えるRubyの方が学習しやすいと感じる人が多いでしょう。
文法
JavaとRubyの文法の違いは、プログラミングを学ぶ上で重要なポイントです。
Javaは「静的型付け言語」で、すべての変数に「型」を指定する必要があります。
例えば、整数を扱うときは「int」、文字列なら「String」という具合に、データの種類を明確に宣言しなければなりません。
最初は面倒に感じるかもしれませんが、この仕組みがプログラムの安全性を高めています。
Rubyは「動的型付け言語」で、変数の型を指定する必要がありません。
数値でも文字列でも、同じ変数に自由に代入できます。
したがって、より柔軟で直感的なコードが書けるようになります。
例えば、「name = “田中”」と書くだけで、自動的に文字列として認識されるのです。
文法の書きやすさでは、Rubyに軍配が上がります。
同じ処理を実現するのに必要なコード量が少なく、英語の文章を読むような自然な記述が可能です。
一方、Javaは記述量は多くなりますが、その分、コードの意図が明確になり、大人数での開発時に誤解が生じにくいという利点があるでしょう。
将来性
JavaとRubyの将来性については異なる見方があります。
Javaは20年以上にわたって企業システムの中核を担い続けており、その地位は今後も揺るがないでしょう。
特に、エンタープライズ分野、Android開発、ビッグデータ処理、AI・機械学習などの分野で需要が拡大しています。
Rubyは、かつてのような爆発的な人気はやや落ち着いたものの、Webアプリケーション開発の分野では依然として重要な位置を占めています。
特に日本国内では根強い人気があり、多くの企業がRuby on Railsを採用し続けています。
また、Ruby 3.0以降はパフォーマンスが大幅に改善され、これまでの弱点だった実行速度の問題も解消されつつあります。
求人数で見ると、Javaの方が圧倒的に多いのが現状です。
しかし、Rubyエンジニアは希少性が高く、優秀な人材への需要は依然として高い状態が続いています。
どちらの言語も、今後10年は安定した需要が見込まれるため、どちらを選んでも将来性に大きな不安はないといえるでしょう。
JavaエンジニアとRubyエンジニアの年収比較
プログラミング言語を選ぶ際、将来の収入は重要な判断材料の一つです。
最新データをもとに、JavaエンジニアとRubyエンジニアの平均年収を比較し、経験年数による違いや地域差についても詳しく見ていきましょう。
Javaエンジニアの平均年収
経験やスキルレベルによって幅があるものの、求人ボックスの調査によると、Javaエンジニアの正社員の平均年収は約498万円で、月給換算で41万円、初任給は23万円程度が相場となっています。
年収の分布を見ると、317万円から922万円と比較的広い範囲に及んでいます。
フリーランスの場合は、より高い年収が期待できます。
フリーランスJavaエンジニアの平均年収は約840万円(月額70万円)で、プログラミング言語年収ランキングでは7位に位置しています。
経験5年以上のエンジニアならば、700万円から1,000万円、シニアレベルでは1,000万円以上の年収も珍しくありません。
また、AI・機械学習のスキルを持つJava開発者や、Spring Frameworkやマイクロサービスアーキテクチャなどの経験がある場合、さらに高い報酬を得られる傾向にあります。
Rubyエンジニアの平均年収
日本におけるRubyエンジニアの年収について、複数の調査結果を見てみましょう。
正社員の場合、平均年収は500万円から700万円程度が相場となっています。
求人ボックスの調査では、Rubyエンジニアの平均年収は約498万円で、Javaエンジニアと同程度の水準でした。
一方、フリーランスのRubyエンジニアの場合は年収が高くなる傾向にあります。
CodeZineの調査では、フリーランスRubyエンジニアの平均年収は966万円(月額80.5万円)で、プログラミング言語年収ランキングでは3位となっています。
特筆すべきは、Rubyエンジニアの働き方の柔軟性です。
週3日以下の稼働が全体の60.6%を占め、フルリモート案件が50%以上と非常に高い割合となっています。
これにより、ワークライフバランスを保ちながら収入を得ることが可能となっています。
JavaとRubyならどっちを学ぶべき?
JavaとRuby、どちらを選ぶかは、一概には言えません。
個人個人の目標ややりたいことによって変わってくるからです。
もし「安定した就職先を見つけたい」「大企業で働きたい」という希望があるなら、Javaがおすすめです。
求人数が圧倒的に多く、金融機関や大手IT企業など、安定した職場で働けるチャンスが豊富にあるからです。
「Webサービスを作りたい」「スタートアップで働きたい」「早く成果を出したい」という人には、Rubyが向いています。
学習のしやすさと開発スピードの速さは、プログラミング初心者にとって大きな魅力です。
特に、自分のアイデアを形にしたい起業家精神のある人には、Rubyは強力な武器となるでしょう。
もっと言えば、どちらか一方だけに絞って学ぶ必要はありません。
最初はRubyでプログラミングの基礎と楽しさを学び、その後Javaで大規模開発の考え方を身につける、という進め方もアリです。
重要なのは、まず一つの言語でプログラミングの基本概念をしっかり理解することです。
一つの言語を習得すれば、二つ目の言語の学習は格段に楽になるでしょう。
まとめ
JavaとRubyは、それぞれ異なる強みを持つ優れたプログラミング言語です。
Javaは安定性と汎用性に優れ、大規模システムやAndroidアプリ開発に適しています。
一方、Rubyは学習のしやすさと開発スピードが魅力で、Webアプリケーション開発に最適です。
どちらを選ぶかは人それぞれですので、自分の目標や価値観にマッチした方を選んで学習するとよいでしょう。