フリーランスエンジニアの寿命は年齢的に何歳まで？長く働くコツも紹介

フリーランスエンジニアとして独立を検討している人や、今現在フリーランスとして働いている人の多くが、一度は「自分は何歳まで稼ぎ続けられるのか」と考えたことがあるでしょう。

フリーランスは、会社員のような定年退職がない自由な働き方である反面、案件を獲得できなければ即座に収入が途絶えてしまう厳しさも持ち合わせています。
その厳しさから、「フリーランスエンジニアなどやめとけ」という人も少なくありません。

そこでこの記事では、本当にフリーランスエンジニアの寿命は短いのか、何歳まで働けるのか、といって点や、フリーランスエンジニアは寿命が短いと言われてしまう理由、寿命を伸ばすための対策法などについて詳しく解説していきます。

まずはフリーランスエンジニアの状況を把握しよう

フリーランスとして長く生き残るためには、まず市場全体がどのような状況にあるのかを客観的に理解する必要があります。

エンジニアの需要は依然として高い水準にありますが、年齢やスキルセットによる選別は年々厳しさを増しているのが現実です。

ここでは、フリーランス人口の推移と、企業側が設けている年齢制限の実態について、具体的なデータをもとに見ていきましょう。

フリーランスエンジニアの人口推移

国内におけるフリーランスエンジニアの数は、近年右肩上がりで増加を続けています。

その一例として、転職サービス大手のエン・ジャパンのニュースリリースの内容に、以下のようなデータがあります。

画像引用：PR TIMES

働き方が多様化している今、フリーランスエンジニアの数はこれからもどんどん増えていくことでしょう。

企業がフリーランスに設けている年齢制限

年齢制限に関しては、シビアな現実が存在します。

株式会社Miraieが行った調査によると、フリーランスのような外部人材を活用している企業の多くが、採用にあたって何らかの年齢制限を設けていることが明らかになっています。

画像引用：株式会社Miraie

一応、半数以上が年齢制限を設けていないと回答していますが、裏を返せば、半数弱の企業は年齢制限を設けているということになります。

しかも、最も多いのが「40歳以上から採用しない」という回答であることから、かなり早いうちからの準備が必要となることがわかります。

フリーランスエンジニアは何歳まで働ける？

フリーランスエンジニアに定年はなく、制度として「何歳まで働ける」という規定などは存在しませんが、前述のように企業側が年齢制限を設けているケースもあるため、実質的な「寿命」は存在すると言わざるを得ません。

しかし、これはあくまで平均的な話であり、高度な専門スキルやマネジメント能力を持つエンジニアであれば、60代以降も現役で活躍し続けることは十分に可能です。

フリーランスエンジニアの寿命が短いと言われる理由

「フリーランスエンジニアは35歳が限界」「長くは続けられない」といった説がまことしやかに囁かれるのには、構造的な理由があります。

単に年齢を重ねるだけでなく、働き方や環境の変化に対応できなくなった時点で、フリーランスとしての寿命が尽きてしまうからです。

ここでは、なぜ寿命が短いと言われてしまうのか、その主要な要因を4つの観点から掘り下げて解説します。

年齢制限を設けている企業がある

最大の要因は、前述の通り、クライアント企業による年齢制限です。

開発現場ではチームワークが重視されるため、メンバー間の年齢構成バランスを気にする企業は少なくありません。

また、発注側の担当者が若手である場合、自分よりも経験豊富な年配のエンジニアをマネジメントすることに心理的な負担を感じるケースも多々あります。

技術力に問題がなくても、「現場の空気に馴染めるか不安」という理由だけで敬遠されてしまうことが、フリーランスの活動寿命を縮める大きな壁となってしまうのです。

体力的な衰えがあり体調を崩しやすい

フリーランスは体が資本ですが、加齢による体力の低下は避けて通れません。
納期前の激務や、トラブル対応による深夜稼働など、エンジニアの仕事は時に過酷な労働環境になることがあります。

20代の頃であれば多少の無理も利きますが、30代、40代と年齢を重ねるにつれて、疲労の回復に時間がかかるようになります。

無理を続けた結果、体調を崩して長期間働けなくなれば、その間の収入はゼロになってしまいます。

この「健康維持の難しさ」も、フリーランスエンジニアは寿命が短いと言われる一因でしょう。

最新技術のキャッチアップがしづらい

IT業界は技術の移り変わりが非常に速く、数年前に主流だった技術がすぐに陳腐化してしまいます。

したがって、フリーランスとして市場価値を維持するためには、常に新しい言語やフレームワーク、ツールを学び続ける必要があるのです。

しかし、年齢を重ねると、新しい概念を理解する柔軟性が低下したり、家庭を持ったことで学習時間の確保が難しくなったりしがちです。

技術トレンドの変化についていけなくなった時が、エンジニアとしての寿命となってしまうと言えるでしょう。

若いフリーランスエンジニアと比較されてしまう

フリーランス市場には、毎年多くの若手エンジニアが参入してきます。

若手エンジニアは、最新の技術トレンドに敏感で、吸収力があり、体力もあります。
さらに、実績を作るために相場よりも低い単価で仕事を請け負うことも多いでしょう。

クライアントの立場になって考えると、同じようなスキルレベルであれば、単価が安く、将来性も見込める若手を採用したいと考えるのは当然のことです。

経験年数が長いというだけで高単価を維持しようとすると、コストパフォーマンスの観点で若手に競り負けてしまいます。

「ベテランならではの付加価値」を提示できなければ、若手との競争に敗れ、市場から淘汰されてしまうのです。

フリーランスエンジニアとしての寿命を伸ばす方法

ここまで厳しい現実を見てきましたが、すべてのフリーランスエンジニアが早期に引退しているわけではありません。

戦略的にキャリアを構築し、60代になっても高単価で案件を獲得し続けている人も確かに存在します。

長く活躍しているエンジニアには、共通して実践している行動習慣があります。
ここでは、寿命を伸ばすために今日から取り組むべき5つのポイントを紹介します。

最新技術を習得するための勉強時間を確保する

技術のアップデートを止めた瞬間、エンジニアとしての老化が始まります。

現在であれば、AI活用、クラウドネイティブな開発、セキュリティ技術など、市場が求めているスキルを常にキャッチアップし続ける姿勢が不可欠です。

「過去の遺産」で勝負するのではなく、「現在の武器」を増やし続けることが、年齢の壁を突破する最も確実な方法です。

体力作りを怠らない

長く働き続けるためには、健康管理も仕事の一部と捉えるべきです。

これらを心がけ、パフォーマンスを一定に保つ努力が求められます。

特にデスクワークが中心のエンジニアは運動不足になりがちなので、ジム通いやジョギングなどを生活ルーティンに組み込むことを推奨します。

また、年に一度の健康診断や人間ドックは必ず受診してください。
病気の早期発見は、将来のリスクヘッジになります。

心身ともに健康であることが、クライアントからの信頼感にも繋がり、安定した受注を支える土台となるでしょう。

人脈作りを重要視する

エージェント経由の案件探しは便利ですが、年齢制限のフィルターにかかりやすいというデメリットもあります。

したがって、勉強会やカンファレンスに積極的に参加して横のつながりを作ったり、SNSで発信活動を行ったりして、自分を知ってくれている人を増やしましょう。

「困った時はあの人に頼もう」と思い出してもらえる存在になれば、将来的に仕事が途切れにくくなるはずです。

資格を取得する

エンジニアにとって資格は特に必要ありません。
しかし、スキルを目に見える形で証明できれば、年齢によるネガティブな印象を払拭するのに役立ちます。

ベテランであればあるほど、経験則だけで語るのではなく、体系的な知識の裏付けがあることをアピールできれば、クライアントに安心感を与えられるでしょう。

資格取得は単なる知識の証明だけでなく、継続的な学習能力のアピール材料としても有効です。

仕事獲得のための機会を増やす

仕事獲得のルートとして、フリーランスエージェントを活用している方も多いでしょう。

しかし、一つのエージェントだけに依存するのはリスクが高いです。

エージェントごとに得意とする業界や企業規模が異なるため、選択肢を増やすことで自分に合った案件に出会える確率も上がります。

また、クラウドソーシングサイトや、ダイレクトリクルーティングサービスなども併用し、常に複数のパイプラインを持っておくようにしましょう。

仕事が途切れる恐怖を減らすためにも、営業チャネルは多ければ多いほどよいです。

【年代別】フリーランスエンジニアとして寿命を伸ばすための働き方

フリーランスとして長く生き残るための戦略は、年代によって最適解が異なります。

20代には20代の、40代には40代の戦い方があり、それぞれのステージで求められる役割を理解して行動することが大切です。

ここでは、年代別に意識すべきキャリア戦略について解説します。

20代のフリーランスエンジニアの場合

20代は、とにかく「実績作り」と「スキル幅の拡大」に注力すべき時期です。

体力があり、吸収力も高いこの時期に、多少ハードな案件であっても積極的に挑戦し、多様な現場経験を積んでください。

一つの技術に固執せず、フロントエンドからバックエンド、インフラまで幅広く触れることで、将来的なキャリアの選択肢が広がります。

また、失敗を恐れずにチャレンジできるのも20代の特権です。
今のうちに自分の得意分野と不得意分野を見極め、30代以降にどの領域で専門性を高めていくかの方向性を定めておきましょう。

30代のフリーランスエンジニアの場合

30代は、エンジニアとして最も脂が乗っている時期であり、「専門性の確立」か「マネジメントへのシフト」かの分岐点となります。

特定の技術領域で「この技術なら誰にも負けない」というスペシャリティを磨き、高単価案件を狙うのが一つの道です。

もう一つの道は、リーダーやPM（プロジェクトマネージャー）補佐などの役割を経験し、マネジメントスキルを身につけることです。

自分の適性を見極め、強みを尖らせていきましょう。

40代のフリーランスエンジニアの場合

40代になると、単なる技術力だけでなく、「課題解決力」や「ビジネス視点」が求められます。

クライアントのビジネス課題を技術でどう解決するかを提案できるコンサルティング的な立ち回りができると、単価も維持しやすくなります。

また、若手の育成やチームビルディングに貢献できるエンジニアは、現場の若返りが進む中でも「頼れるベテラン」として歓迎されます。

技術力での勝負に加え、組織全体への貢献度を高めることで、年齢の壁を乗り越えることが可能になります。

50代のフリーランスエンジニアの場合

50代以降は、これまでに培った「人脈」と「深い業務知識」が最大の武器になります。

エージェント経由の新規案件獲得は厳しくなる年代のため、過去の取引先や知人からの紹介案件をメインに据えるのが現実的です。

こういった人材は、50代でもエージェント経由で高単価案件を獲得することが可能ですので、多くのフリーランスエージェントを利用し、自分にマッチした案件を探すべきでしょう。

現場でコードを書くことにこだわりすぎず、経験を活かした多様な関わり方を模索してください。

長く働くために役立つおすすめのフリーランスエージェント

長く安定して働き続けるためには、パートナーとなるエージェント選びも重要です。自分のキャリアプランや希望条件に合ったエージェントを活用することで、年齢の壁を感じさせないスムーズな案件探しが可能になります。ここでは、特徴の異なる3つのサービスを紹介します。

レバテックフリーランス

画像引用：https://freelance.levtech.jp/lp/001ai/

フリーランスエンジニア業界最大級の知名度と案件数を誇るのが、「レバテックフリーランス」です。
エンド直請けの高単価案件が豊富で、登録者の平均年収が高いことでも知られています。

専任のカウンセラーがキャリア相談に乗ってくれるため、自分の市場価値を客観的に把握したい時にも役立ちます。

支払いサイトが「月末締め翌月15日払い」と業界最短クラスであることも、キャッシュフローを安定させたいフリーランスにとっては大きなメリットでしょう。

フリーランスボード

画像引用：https://freelance-board.com/

「フリーランスボード」は、複数のエージェントが保有する案件を一括で検索できる、フリーランスエンジニア向けの案件検索プラットフォームです。

AIを活用したマッチング機能やスカウト機能があり、自分から営業をかけなくても条件に合った案件が届く仕組みが整っています。

20万件以上という圧倒的な案件データベースから、自分のスキルや希望単価に合った仕事を効率よく探せるのが最大の特徴です。

特定のエージェントに縛られず、市場全体の案件動向をチェックしたい人や、より多くの選択肢から仕事を選びたい人に向いています。

Midworks（ミッドワークス）

画像引用：https://lp.mid-works.com/002

Midworksは、「フリーランスと正社員のいいとこ取り」をコンセプトに掲げるエージェントです。

保障制度により、フリーランスの寿命を縮める最大の要因である「収入の不安定さ」をカバーできるため、リスクを抑えて長く働きたいエンジニアから絶大な支持を集めています。

また、民間保険料の半額負担や、書籍購入費・勉強会参加費を支援する経費補助制度もあり、スキルアップを継続しながら安心してキャリアを積み重ねられる環境が整っています。

まとめ

フリーランスエンジニアには定年がありませんが、市場には「年齢の壁」が存在します。

しかし、その壁は決して越えられないものではありません。

本記事を参考に立ち回ることで、エンジニアとしての寿命はいくらでも伸ばすことができます。

「何歳まで働けるか」を心配するのではなく、「何歳になっても必要とされる人材になるにはどうすべきか」を考え、今日から行動を始めることが大切です。

まずは複数のエージェントに登録して自分の市場価値を確認し、長期的な視点でキャリア戦略を練り直してみてはいかがでしょうか。