エンジニアの転職活動において、面接の最後にほぼ必ず訪れるのが「何かご質問はありますか?」という、いわゆる「逆質問」の時間です。
しかし、いきなり逆質問されても、「何を質問すればいいのか」「こんな質問をしたら失礼にあたらないか」と悩むことでしょう。
しかし、この逆質問こそ、自身の熱意やスキルをアピールし、企業とのミスマッチを防ぐための絶好の機会なのです。
そこでこの記事では、エンジニア転職の面接で役立つ逆質問について、パターン別に詳しく解説していきます。
逆質問を求められた時の対策を知りたい方は、是非参考にしてください。
【本記事の信頼性】
- 執筆者は元エンジニア
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なぜエンジニア転職の面接で逆質問される?
採用担当者が面接の最後に逆質問の時間を設けるのには、明確な意図があります。
一つ目は、応募者の入社意欲や企業への関心の度合いを測るためです。
深く企業研究をした上で練られた質問は、それ自体が「本気で入社したい」という熱意の表れとして評価されます。
二つ目は、応募者の疑問や不安を解消し、入社後のミスマッチを防ぐという目的です。
企業側も、応募者に納得して入社してもらい、長く活躍してほしいと願っています。
逆質問は、求人票だけではわからない社風や働き方への理解を深めるための重要なすり合わせの場なのです。
三つ目は、応募者のコミュニケーション能力や思考力を確認するためです。
質問の組み立て方や内容の鋭さから、その人が物事の本質を捉える力を持っているか、論理的に対話ができるか、といった点も評価されています。
エンジニア転職の面接で逆質問するメリット
求職者側が逆質問の時間を有効に活用することは、多くのメリットがあります。
ここでは、代表的な3つのメリットについて解説します。
採用されたいという意欲を伝えられる
逆質問は、面接官からの質問に答える受け身の姿勢から一転し、応募者が主体的に行動できる唯一の時間です。
ここで、事前にしっかりと企業研究をしてきたことが伝わる質問や、入社後の活躍を具体的にイメージした質問をすることで、自身の高い入社意欲を強力にアピールできます。
上手く伝えることができれば、「この人は真剣に当社を考えてくれている」というポジティブな印象を与えられるでしょう。
入社しようとする企業への理解を深められる
企業の公式Webサイトや求人票に掲載されている情報は、あくまで一般的な情報に過ぎません。
逆質問は、開発チームの具体的な雰囲気、使用技術の選定理由、コードレビューの文化、プロジェクトの進め方など、現場で働くエンジニアの「生の声」を聞ける貴重な機会です。
入社後に「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、この時間を使って企業理解を深めることは非常に重要です。
自分の価値観とマッチするかを確かめられる
転職は、自身のキャリアプランやライフプランを実現するための重要な選択です。
逆質問を通じて、企業の評価制度、キャリアパス、学習支援の体制、ワークライフバランスの考え方などを確認することで、その企業が自身の価値観や働き方と本当にマッチしているかを見極めることができます。
お互いにとって後悔のない転職となるよう、最後の確認を行う場として逆質問を活用しましょう。
エンジニア転職における逆質問で「特にありません」は避けるべき
面接の最後に「何か質問はありますか?」と聞かれた際、「特にありません」と回答するのは、原則として避けるべきです。
なぜなら、採用担当者にネガティブな印象を与えてしまう可能性が非常に高いからです。
「特に質問がない」という回答は、「自社への関心が低いのではないか」「入社意欲があまりないのではないか」と受け取られかねません。
また、あれだけ企業説明や面接での対話があったにもかかわらず、何の疑問も湧かないというのは、主体性の欠如や思考の浅さを疑われる原因にもなり得ます。
面接が完璧に進み、本当に疑問点が解消された場合でも、例えば「本日の面接で〇〇様のお話を伺い、貴社で働きたいという思いが一層強くなりました。疑問点は解消されましたので、質問はございません」といったように、感謝と入社意欲を改めて伝える工夫が必要です。
とはいえ、最低でも2〜3個は質問を準備しておくのが社会人としてのマナーとも言えるでしょう。
1次や2次面接の際にするべき逆質問5選
1次面接や2次面接では、現場のエンジニアや開発チームのリーダーが面接官となるケースが多いです。
ここでは、自身のスキルをアピールしつつ、入社後に働くことになる現場のリアルな環境や業務内容について深く知るための質問が有効です。
御社が求めているエンジニアの特徴を教えていただけますか?
この質問は、企業が求める人物像と、自身のスキルや経験がどれだけ合致しているかを確認するために役立ちます。
面接官からの回答に対し、「その点であれば、私の前職での〇〇という経験が活かせると考えております」といった形で、自身の強みを再度アピールする流れに繋げやすいのが特徴です。
入社後のミスマッチを防ぐ上でも有効な質問と言えるでしょう。
開発を行う際のチーム体制は具体的にどのようになっていますか?
入社後の働き方を具体的にイメージするための質問です。
例えば、チームの人数、フロントエンドとバックエンドの役割分担、デザイナーやPMとの連携方法、プロジェクトの進め方(アジャイル、ウォーターフォールなど)といった点を深掘りします。
自分がそのチームの一員としてスムーズに機能できるかを判断する材料になるほか、具体的な業務への関心の高さも示せます。
業務に対してどういったやりがいを感じている方が多いですか?
- 技術的なやりがい
- 事業貢献へのやりがい
- チームワークへのやりがい
・・・など、社員が何に価値を見出して働いているかを知ることは、企業の文化や雰囲気を理解する上で非常に重要です。
面接官自身の言葉で語られるやりがいに共感できれば、それは企業との相性が良い一つの証拠となります。
また、仕事への価値観を重視する姿勢もアピールできます。
御社独自の、他社にはない強みを教えていただきたいです
企業の競争優位性や、技術的な独自性を尋ねる質問です。
公式Webサイトに書かれていること以上に、面接官が何に誇りを持っているか、何が他社との差別化要因だと考えているかを聞き出します。
企業の将来性や、エンジニアとして働く環境の魅力を判断する上で参考になる上、企業研究をしっかり行っていることも暗に伝えられるでしょう。
●●様が入社した理由をお聞かせいただいてもよろしいでしょうか?
面接官個人の入社動機を尋ねる質問です。
少しパーソナルな質問ですが、答えてもらえれば、企業の魅力についてより本音に近い部分を聞き出せる可能性があります。
また、相手の経験や価値観に興味を示すことで、良好なコミュニケーションを築くきっかけにもなります。
共感できる点があれば、自身の志望動機と絡めて熱意を伝えることもできるでしょう。
最終面接でするべき逆質問5選
最終面接は、役員やCTO、社長といった経営層が面接官となることが多くなります。
現場の細かな技術の話よりも、企業全体の戦略やビジョン、組織文化といった、より大局的な視点からの質問が効果的です。
御社の今後の事業展開や中期的な目標についてお聞かせいただけますか?
経営層に対して、企業の将来的なビジョンや戦略を問う質問です。
企業の成長性や安定性を確認すると同時に、その目標達成に向けて自分が入社後にどのような貢献ができるかをアピールする糸口にもなります。
広い視野を持っていること、長期的に貢献する意志があることを示せる質問です。
エンジニア部門(または〇〇様)が現在最も重要視している課題は何ですか?
CTOや技術担当役員が相手の場合に特に有効な質問です。
組織が抱える技術的な課題や経営課題を知ることで、自分がその解決にどう貢献できるかを具体的に考えることができます。
問題意識の高さや、当事者意識を持って働こうとする姿勢をアピールできるでしょう。
社内で活躍されているエンジニアの方に共通する特徴やマインドセットはありますか?
その企業がどのような人材を評価するのか、どのようなカルチャーフィットを求めているのかを探るための質問です。
「自走できる人材」「チームワークを重んじる人材」など、具体的な人物像が聞ければ、自分がその環境に適応できるかを判断する重要な材料になります。
私が入社するまでに、特に学習・準備しておくべきことはありますか?
入社意欲の高さを最も強くアピールできる質問の一つです。
入社までの期間を無駄にせず、即戦力として貢献するために何をすべきかを尋ねる姿勢は、非常に前向きな印象を与えます。
「特にありません」という回答だったとしても、その熱意は確実に伝わるでしょう。
〇〇様(役員・社長)が考える、エンジニア組織の理想の姿とはどのようなものでしょうか?
経営者がエンジニアや技術に対してどのような考えを持っているかを知るための質問です。
技術への投資に積極的か、エンジニアのキャリアパスをどう考えているかなど、企業の「技術に対する本気度」を測ることができます。
エンジニアを大切にする文化があるかを見極める上でも役立ちます。
オファー面談でするべき逆質問5選
オファー面談は、内定の通知とともに、給与や待遇などの労働条件を最終確認する場です。
ここでの質問は、入社意思を固めるための重要なすり合わせとなります。
聞きにくいと感じることも、後々のトラブルを避けるために遠慮なく確認しましょう。
提示いただいた給与(年収)の算定根拠について、詳しく教えていただけますか?
提示された金額を受け入れるかどうかにかかわらず、自身のどのスキルや経験が評価されてその金額になったのか、その内訳や根拠を確認することは重要です。
自身の市場価値に対する企業の評価を正確に知ることで、納得感を持って入社できますし、今後の昇給交渉のベースにもなります。
昇給や評価の制度について、具体的な基準やタイミングを教えてください。
入社後のキャリアアップを具体的にイメージするために不可欠な質問です。
評価面談の頻度(年1回か2回か)、評価の基準(MBO、OKP、コンピテンシー評価など)、昇給の平均額や昇格の条件など、具体的な制度運用について確認しておきましょう。
残業時間の実態(平均や繁忙期など)と、その管理体制についてお伺いできますか?
求人票に記載されている「平均残業時間」だけでなく、部署としての実態や、プロジェクトの繁忙期にどの程度増加するのかを確認します。
また、みなし残業時間を超えた場合の残業代の支給方法や、36協定の遵守状況など、勤怠管理が適切に行われているかも確認すべきポイントです。
入社後のオンボーディング(研修)プロセスはどのようになっていますか?
中途入社者がスムーズに業務に慣れ、パフォーマンスを発揮するためのサポート体制(オンボーディング)について確認します。
入社初日の流れ、メンター制度の有無、最初の1ヶ月で任される業務内容、社内ツールの研修など、具体的なプロセスを聞くことで、入社後の不安を解消できます。
リモートワークと出社の比率、またその運用ルールについて具体的に教えてください。
「リモートワーク可」とされていても、その実態は企業によって様々です。
「週何日までリモート可能か」「コアタイムは設定されているか」「リモートワーク手当や必要な機材の貸与はあるか」など、具体的な運用ルールを確認し、自身の希望する働き方と合致するかを見極めましょう。
未経験の状態でエンジニア転職の面談に臨む場合にするべき逆質問5選
未経験からの転職では、現時点でのスキルよりも「学習意欲」と「入社後の成長ポテンシャル」が何よりも重視されます。
逆質問は、その熱意をアピールする絶好のチャンスです。
入社までに学習しておくべき技術や書籍があれば、ぜひ教えていただけますか?
未経験者が熱意をアピールする上で、最も効果的な質問の一つです。
「入社が決まったら、すぐにでもキャッチアップのために勉強を始めたい」という主体的な姿勢を示すことができます。
ここで具体的なアドバイスをもらえれば、入社までの学習ロードマップも明確になります。
未経験から入社された方々は、平均してどのくらいの期間で独り立ちされていますか?
入社後の具体的な成長イメージを掴むための質問です。
研修期間やOJTを経て、どの程度の期間で一つの業務を任されるようになるのか、そのモデルケースを知ることで、自分が目指すべきステップが明確になります。
研修制度や、入社後の教育カリキュラムについて詳しく教えてください。
未経験者にとって、入社後の教育体制は非常に重要です。
どのような研修がどれくらいの期間行われるのか、OJTはどのように進められるのか、メンターは付いてくれるのかなど、サポート体制を具体的に確認することで、安心して成長できる環境かどうかを判断できます。
チームでは、コードレビューやペアプログラミングなどを実施されていますか?
早期にスキルアップするための具体的な仕組みがあるかを尋ねる質問です。
経験豊富な先輩エンジニアから直接フィードバックをもらえる文化(コードレビューなど)があるかどうかは、未経験者の成長速度に大きく影響します。学習意欲の高さも同時にアピールできるでしょう。
私の現在のスキルレベルで、入社後に貢献できそうな業務はありますでしょうか?
謙虚さを示しつつも、一日も早く貢献したいという前向きな意欲を伝える質問です。
「まずはテストやドキュメント作成から」といった具体的な回答が得られれば、入社後の心構えができますし、自身のスキルレベルと企業側の期待値に大きなズレがないかも確認できます。
避けるべき逆質問の例
逆質問はアピールの場であると同時に、内容次第では評価を下げてしまうリスクもはらんでいます。
ここでは、特に避けるべきNGな質問の例を3つ紹介します。
自分で調べればすぐにわかる質問
「御社の主力商品は何ですか?」「従業員数は何人ですか?」といった、企業の公式Webサイトや採用ページを見ればすぐにわかる情報を質問するのは厳禁です。
企業研究を全くしていない=入社意欲が低い、と判断されてしまいます。
基本的な情報を調べた上で、さらに一歩踏み込んだ質問を心がけましょう。
給与や待遇、福利厚生に関する質問
1次面接や2次面接といった、スキルや人物像を見極める段階で、いきなり給与や休暇、残業時間のことばかりを質問するのは悪印象です。
「仕事内容よりも条件面しか興味がないのではないか」と受け取られかねません。
これらの質問は、内定後またはオファー面談の場で確認するのが適切なタイミングです。
面接官の否定や、漠然としたネガティブな質問
「なぜ〇〇の技術を採用していないのですか?」といった、面接官や企業の技術選定を否定するような質問は、協調性がないと判断されます。
また、「社内の雰囲気は悪いですか?」「離職率は高いですか?」といったネガティブで漠然とした質問も、相手を不快にさせるだけです。
「〇〇様が感じる、職場の雰囲気の良さを教えてください」のように、ポジティブな聞き方に変換する工夫が必要です。
エンジニア転職の際に上手く逆質問するためのコツ
逆質問の時間を最大限に活用し、面接官に「この人を採用したい」と思わせるためには、事前の準備が全てです。
ここでは、3つの重要なコツを解説します。
対象の企業について徹底的に企業研究を行う
逆質問の質は、企業研究の深さに比例します。
公式Webサイト、プレスリリース、IR情報(上場企業の場合)はもちろん、エンジニア向けの技術ブログや登壇資料などにも目を通し、その企業が今どのような技術に注力し、どのような課題を抱えているのかを把握しましょう。
研究に基づいた質問は、転職に向けた本気度を何よりも雄弁に物語ります。
自分のスキルを関連付けて質問する
質問は、ただ聞くだけで終わらせず、最後のアピールに繋げるチャンスです。
「私は前職で〇〇のパフォーマンス改善に取り組んだ経験があるのですが、貴社の〇〇というサービスでは、現在どのような点に技術的な課題を感じていらっしゃいますか?」のように、自身の経験やスキルを質問に織り交ぜることで、入社後の貢献イメージを具体的に持たせることができます。
面接官の立場や経験に合わせた質問をする
面接官がどのような役職・立場の人物なのかを意識し、質問内容を変えることも重要です。
現場のエンジニアであれば具体的な開発プロセスやツールの質問を、人事担当者であれば評価制度やキャリアパス、企業文化の質問を、そして経営層であれば事業戦略や組織の未来に関する質問を、といった具合に使い分けることで、より的確で深い回答を引き出すことができるでしょう。
まとめ
エンジニア転職の面接における「逆質問」は、多くの応募者が軽視しがちです。
しかし、極めて重要なプロセスですので、単なる疑問解消の時間ではなく、自身の入社意欲、企業理解度、コミュニケーション能力、そしてエンジニアとしてのポテンシャルをアピールするための「最後のプレゼンテーションの場」であると認識しましょう。
「特にありません」という回答は、その絶好の機会を自ら放棄するようなものです。
面接のフェーズ(1次・2次、最終、オファー面談)や、未経験者か経験者かといった自身の立場、そして面接官の役職に合わせて、最適化された質問リストを事前に準備しておくことが成功の鍵となります。