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Qiitaのレベルは低い、オワコンだからやめるべき、と言われる理由

Qiitaのレベルは低い、オワコンだからやめるべき、と言われる理由 お役立ちコラム

「Qiita レベルが低い」と検索してこのページに辿り着いた方は、おそらく検索結果に表示されたQiitaの記事の内容が薄かったり、あるいは間違った情報に振り回されたりした経験があるのではないでしょうか。

正直なところ、エンジニアとして活動していれば、Qiitaの記事にストレスを感じるのは一度や二度では済まないことが多いでしょう。

しかし、一概に「Qiita=悪」と切り捨ててしまうのは、少しもったいない側面もあります。

この記事では、なぜQiitaの記事は玉石混交で、レベルが低い記事も多いと言われるのか、その構造的な理由を詳しく説明していきます。

【著者プロフィール&本記事の信頼性】
プロフィール
  • 著者は元エンジニア
  • 大手プログラミングスクールのWebディレクター兼 ライターを経験
  • 自らも地元密着型のプログラミングスクールを運営
プロフィール詳細はコチラ
当ブログ著者
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なぜ「Qiitaはレベルが低い」と言われてしまうのか

なぜ「Qiitaはレベルが低い」と言われてしまうのか

Qiitaに対して厳しい意見が集まるのには、明確な理由が存在します。

それは、単に書き手のスキルの問題だけではなく、プラットフォームの設計思想や、検索エンジンとの相性など、複数の要因が絡み合っているのです。

ここでは、多くのエンジニアが感じている「Qiitaの質の低下」を感じる主な要因について、3つの観点から解説していきます。

プログラミング初学者でも気軽に記事を投稿できてしまう

Qiitaのレベルが低いと言われてしまう最大の要因は、Qiitaが「プログラミングやエンジニアリングに関する知識を記録・共有するためのサービス」であり、誰でも気軽に投稿できる点にあります。

誰でも簡単に投稿できること自体は、コミュニティとして素晴らしいことですが、結果として「プログラミングを学び始めた人たちの学習メモ」が大量に投稿されることになりました。

問題なのは、こうした初学者のアウトプットが、Googleなどの検索エンジンで上位に表示されてしまう現象です。

Qiitaはドメインパワーが強いため、経験豊富なエンジニアが求めている高度な解決策よりも、初歩的な「やってみた」記事が上にきてしまうことが多々あります。

検索した側からすれば「求めているのはそのレベルの話ではない」と感じてしまうのは無理もありません。

しかし、投稿者にとっては自身の成長のための貴重なアウトプットであり、ここに検索意図との大きなミスマッチが生じていると言えるでしょう。

LGTM(いいね)稼ぎと承認欲求のゲーム化

次に挙げられるのが、Qiitaにおける記事の評価システムである「LGTM(Looks Good To Me)」がもたらした弊害です。

本来は良い記事を称賛するための機能ですが、一部でこれをゲームのように捉え、「いかに多くのLGTMを稼ぐか」を目的にするユーザーが現れました。

その結果、技術的に深みのあるニッチな記事よりも、初心者受けする「エンジニアがやるべき〇〇のこと」や「絶対に知っておくべき便利ツール選」といった、キャッチーで内容が薄いポエムのような記事がトレンドを独占するようになります。

技術的な正確さや考察の深さよりも、バズることを優先した記事が目立つようになれば、硬派なエンジニアほど「ここは自分たちの居場所ではない」と感じてしまうのは必然かもしれません。

現在でも、この傾向は完全に払拭されたとは言い難いのが現状です。

誤った情報が修正されずに放置されるリスク

Qiitaには編集リクエスト機能がありますが、基本的には個人のブログやメモの集合体であるため、内容の正確性が保証されているわけではありません。

特に問題視されるのは、セキュリティ的に推奨されない古い書き方や、間違った理解に基づいたコードが「正解」として広まってしまうことです。

公式ドキュメントを読めばすぐにわかるような間違いが、検索上位の記事に堂々と書かれているケースも散見されます。

これを初心者がコピペして実務で使用してしまい、後にトラブルになるといった事例も後を絶ちません。

ピアレビュー(査読)がない環境である以上、情報の正しさは読み手のリテラシーに委ねられています。

「Qiitaに書いてあったから正しい」

このように盲信することの危うさが、ベテランエンジニアからの「レベルが低い」という評価に繋がっていると考えられます。

Qiitaを取り巻く環境の変化

Qiitaを取り巻く環境の変化

かつては技術情報共有サービスの代名詞だったQiitaですが、ここ数年でその立ち位置は大きく変化しました。

特に競合サービスの台頭や、生成AIの爆発的な普及により、記事の質や検索結果の様相はさらに複雑化しています。

ここでは、最新のトレンドを踏まえたQiitaの現状について見ていきましょう。

Zennへの移行、そして「技術」と「ポエム」の分離

近年、中上級者のエンジニアを中心に、Qiitaから「Zenn」へと活動拠点を移す動きが加速しました。

Zennは、サービス設計の段階で「技術記事(Tech)」と「ポエム(Idea)」を明確に区分けしており、純粋な技術情報を求める層にとってノイズが少ない環境が整っているからです。

この棲み分けが進んだことにより、「レベルの高い記事はZennや個人のテックブログにある」という認識が広まりました。

結果として、Qiitaには相対的に初学者向けの記事や、カジュアルな話題が残りやすくなったという側面は否定できません。

ただし、これはQiitaがダメになったというよりは、役割分担が明確になったと捉えるべきでしょう。

  • 広く浅く情報を共有する場 ⇒ Qiita
  • よりストイックな知見が集まる場 ⇒ Zenn

こういった形で、それぞれのプラットフォームのカラーが定着しつつあります。

生成AIによる量産記事の増加問題

現在、無視できないのがChatGPTやClaudeなどの生成AIによって書かれた記事の増加です。

AIにコードを書かせて解説文を生成し、それをそのままQiitaに貼り付けて投稿するというケースが急増しています。

もちろん、AIが生成した内容が正確であれば有用な場合もあります。

しかし、投稿者自身が内容を理解せずにコピペしているだけの記事は、質問されても回答できなかったり、微妙なニュアンスが間違っていたりすることが少なくありません。

これにより、検索結果には「一見それらしいけれど、中身のない記事」が増えることとなり、情報の選別は以前よりも難しくなりました。

「人間が試行錯誤した一次情報」の価値が相対的に上がっている今、AI記事の氾濫はQiitaの質を評価する上で新たな懸念材料となっています。

それでもQiitaを使うメリットと正しい付き合い方

それでもQiitaを使うメリットと正しい付き合い方

ここまで、Qiitaに対する厳しい側面ばかりを見てきましたが、だからといってQiitaが全く役に立たないわけではありません。

Qiitaの膨大なデータベースには、特定の環境構築におけるニッチなエラーログや、日本語の公式ドキュメントが存在しないライブラリの解説など、役立つ情報も眠っています。

重要なのは、情報の「見方」を変えることです。

以下の項目では、Qiitaを有効活用する方法について具体的に紹介していきます。

エラーログと環境構築の「ヒント」として使う

Qiitaの最も有効な使い方は、答えそのものを探すのではなく「解決への糸口」を見つけるために利用することです。

特にマイナーなエラーコードで検索した際、Qiitaにある個人の備忘録が唯一の日本語情報であることは珍しくありません。

「私の環境ではこれで直りました」という一言が、デバッグの突破口になることは多々あります。

記事の内容をベストプラクティスとして鵜呑みにするのではなく、「こういうアプローチがあるのか」という選択肢の一つとしてストックするのが賢明です。

最終的な裏付けは公式ドキュメントで行う必要がありますが、そこへ辿り着くまでの中継地点として、Qiitaの膨大なログは依然として強力な武器になります。

信頼できる記事を見分ける3つのチェックポイント

質の低い記事に時間を奪われないためには、記事を開いた瞬間にスクリーニング(絞り込み・ふるい分け)を行う癖をつけることが大切です。

以下のポイントを確認するだけで、情報の信頼度はグッと上がります。

投稿日時と更新日を確認する
技術の進歩は速く、1年前の情報ですら陳腐化することがあります。少なくともここ1〜2年以内に更新されているかを確認しましょう。

著者のプロフィールを見る
その著者が過去にどのような記事を書いているか、普段から活動しているエンジニアなのかをチェックします。単発の投稿だけのアカウントよりは、継続的に発信している著者の方が信頼性は高い傾向にあります。

「出典」や「参照元」があるか
記事の中に公式ドキュメントへのリンクや、参考にした一次情報の提示がある記事は、著者が裏付けを取っている証拠です。

以下に、情報源ごとの特徴を整理しました。

サイト名 主な特徴 推奨される利用シーン
公式ドキュメント 正確性は最強だが、難解な場合がある 仕様の最終確認、一次情報の取得
Zenn 技術とポエムが分離され、質が高い傾向 モダンな技術選定、深い知見の収集
Qiita 玉石混交だが、エラー解決のヒントが多い 特定エラーの調査、初学者の入門
Stack Overflow 世界規模のQ&A、解決策が具体的 コードレベルの具体的なバグ修正

検索コマンドを活用してノイズを除去する

Google検索をする際に、少し工夫をするだけでQiitaのノイズを減らすことができます。

例えば、あえてQiitaを除外して検索したい場合は、キーワードの後に -site:qiita.com を付けることで、検索結果からQiitaを消すことが可能です。

逆に、Zennや公式ドキュメントだけを狙い撃ちしたい場合も同様のコマンドが使えます。

情報収集のスキルとは、単にキーワードを入れるだけでなく、不要な情報をいかにフィルタリングするかという能力でもあります。

プラットフォームの特性を理解し、自分のスキルレベルや目的に応じて検索方法を使い分けることこそが、現在のエンジニアに求められるリテラシーと言えるでしょう。

Qiitaに関するよくある疑問(FAQ)

Qiitaに関するよくある疑問(FAQ)

検索エンジンの検索フォームに「Qiita」と入力すると、「オワコン」や「サービス終了」といった不穏なキーワードが並ぶことがあります。

これらは、ユーザーがQiitaの現状に対して抱いている不安や不信感の表れと言えるでしょう。

ここでは、よく検索されているキーワードをもとに、実情についてQ&A形式で解説します。

Qiitaはオワコン化してサービス終了するという噂は本当?

結論から言うと、現時点でQiitaがサービス終了するという事実はありませんし、すぐに閉鎖されるような兆候も見当たりません。

「オワコン」と言われる主な理由は、かつてのような「技術情報の最先端が集まる場所」としての熱量が落ち着き、情報の密度が薄まったと感じる古参ユーザーが増えたためでしょう。

確かに、鋭い技術記事を書く層の一部が他へ流出したことは否定できません。
しかし、Qiitaの圧倒的なドメインパワーによる検索流入は依然として健在で、初学者向けのコミュニティとしては巨大な規模を維持しています。

「衰退」というよりは、サービスとしてのフェーズが「成長期」から、良くも悪くも大衆化した「成熟期」に入ったと捉えるのが自然です。

「Qiita サービス終了」と検索されるのは、単なる噂や、時折発生するサーバーダウン時のパニック、あるいはかつての仕様変更時の騒動が尾を引いているだけ、というのが真相です。

インフラとしてこれだけ浸透している以上、すぐに消えてなくなることは考えにくいでしょう。

Qiitaの「退会祭り」とは?

Qiitaの「退会祭り」とは、主に2020年頃、Qiitaがエンジニアファーストの理念からズレて、記事の商用利用や規約変更を強めた際に起きた、有力エンジニアたちの集団離脱現象を指します。

この時期に多くの「強いエンジニア」が信頼を失って去ってしまったことが、現在の「記事レベルの低下」を招いた遠因とも言われています。

また、「Qiita ポエム」と呼ばれる技術と無関係な精神論や、タイトル詐欺のような「釣り記事」がランキング上位を独占することも、ユーザーの不満を増幅させました。

現在でも、技術的に誤ったまま放置されている「やばい記事」や、承認欲求を満たすためだけの中身のない記事は散見されます。

ただ、運営側もガイドラインの改定などで対策は進めており、以前ほど無法地帯ではなくなりつつあります。

結局、Qiitaの代わりになるサービスはZenn一択?

「Qiitaのレベルが低いなら、どこを見ればいいのか?」という疑問に対し、最も有力なQiitaの代わりとして挙げられるのは、やはりZennです。

Zennは「知見の共有」に特化しており、ポエムを排除する仕組みや、GitHubリポジトリとの連携など、現役エンジニアが好む設計になっています。

現在では、「技術的な深掘りならZenn、初学者のキャッチアップならQiita」という使い分けが定着しました。

しかし、選択肢はZennだけではありません。

  • Dev.to:海外発のエンジニアコミュニティ。英語情報が苦でなければ良質な記事が多い。
  • 個人ブログ(HugoやGatsby等):プラットフォームに依存せず、自身の技術力をブランディングしたい層が回帰している。
  • note:技術よりも、エンジニアのキャリア論や組織論(ポエム的な内容含む)を読むならこちら。

「QiitaかZennか」という二元論ではなく、自分のレベルや知りたい情報の種類によって、複数のソースを横断するのが現代のエンジニアの賢い歩き方です。

まとめ:Qiitaは「使い方」次第で毒にも薬にもなる

「Qiita レベルが低い」という評価は、ある意味真実であり、ある意味間違っていると言えます。

Qiitaは、誰もが発信できる自由さが質のばらつきを生んでいるのは事実ですが、その中には現場のエンジニアを助ける貴重な知見も数多く存在します。

重要なのは、プラットフォーム自体を批判して終わるのではなく、「情報を目利きするスキル」を身に付けることです。

  • 記事の内容を鵜呑みにせず、必ず公式ドキュメントで裏取りをする
  • 投稿日時を確認し、情報が古くないかチェックする
  • ZennやStack Overflowなど、他のソースと組み合わせて多角的に判断する

これらを意識することで、Qiitaは「レベルの低いサイト」から「有用なヒントが詰まったデータベース」へと変わるのです。