「学んだ知識を活かして、何か作ってみたい」
プログラミングの基礎を学び終えた初心者が、次によく抱えるのがこのような悩みです。
インプットした知識は、実際に手を動かして何かを作る「アウトプット」を通じて初めて、本当に使えるスキルとして定着します。
しかし、いきなり壮大な目標を立てても挫折してしまうだけです。
大切なのは、現在の自分のスキルレベルに合った、適切な「作れるもの」を目標に設定することです。
そこでこの記事では、プログラミング初心者が作れるものを「超初級」「初級」「中級」の3つのレベルに分け、合計16個の具体的なアイデアを厳選して紹介していきますので、是非参考にしてください。
【本記事の信頼性】
- 執筆者は元エンジニア
- 大手プログラミングスクールのWebディレクター兼ライターを経験
- 自らも地元密着型のプログラミングスクールを運営
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なぜ「何かを作る」ことがプログラミング学習の近道なのか?
初心者が作れるものの具体的を見ていく前に、なぜ「作りながら学ぶ」ことがプログラミング初心者にとって重要なのか、その理由を3つ解説します。
学習モチベーションを維持しやすくなるから
プログラミング学習は、時に地味な基礎知識の暗記が続き、目的を見失いがちです。
しかし、「電卓アプリを完成させる」などの具体的な目標があれば、学習の道のりが明確になります。
目に見える成果物があると、「これを自分の手で完成させたい」というモチベーションが強力な学習意欲となり、学習者を支えてくれるのです。
エラーで詰まった時も、完成した時の達成感を想像すれば、乗り越えやすくなるはずです。
実践的なスキルが身につくから
参考書を読んだり、動画を見たりするだけでは、本当の意味で「使えるスキル」は身につきません。
実際に何かを作ろうとすると、必ず予期せぬエラーや問題に直面します。
そのエラーメッセージを読み解き、自力で調べて解決策を見つけ出す経験こそが、本物のエンジニアに求められる実践的な問題解決能力を育てます。
このトライ&エラーの繰り返しによって、単なる知識の所有者から、価値を生み出せる実践者へと変わることができるのです。
ポートフォリオ(実績証明)になるから
苦労して作り上げた作品は、自分のスキルレベルを何よりも雄弁に語る「ポートフォリオ(実績証明)」となります。
将来的にエンジニアとして就職や転職、あるいはフリーランスとして案件を獲得しようとする際に、「私はこれだけのものを作れます」と具体的な成果物を見せることは、履歴書に資格を並べるよりも遥かに強力なアピールになります。
作るという行為そのものが、未来のキャリアへの投資になるのです。
【超初級編】プログラミングの第一歩!超初心者に作れるもの4選
まずは、プログラミングの基本的な文法(変数、条件分岐、繰り返しなど)を学び終えたばかりの方向けの、簡単なプログラムです。
完成までのハードルが低く、プログラミングで「動くものを作れた!」という最初の成功体験を得るのに最適です。
簡単な電卓アプリ
四則演算(足し算、引き算、掛け算、割り算)ができるシンプルな電卓です。
ユーザーから2つの数値と演算子を入力してもらい、計算結果を表示します。
条件分岐(if文)の基本的な使い方を実践的に学ぶのに最適なテーマです。
学べること | 変数、データ型、四則演算、if文による条件分岐 |
おすすめ言語 | Python、JavaScript、Ruby |
じゃんけんプログラム
コンピュータとじゃんけんができるプログラムです。
プレイヤーに手を選ばせ、コンピュータはランダムに手を出し、勝敗を判定します。
乱数の使い方や、少し複雑な条件分岐の組み立て方を学ぶことができます。
学べること | 乱数の生成、リスト(配列)の利用、複雑な条件分岐 |
おすすめ言語 | Python、JavaScript、Ruby |
簡単なタイマー・ストップウォッチ
指定した時間でアラームを鳴らすタイマーや、経過時間を計測するストップウォッチです。時間の扱い方や、プログラムを一定時間ごとに実行する方法(繰り返し処理)を学ぶのに役立ちます。
学べること | 時間の扱い、繰り返し処理(for文, while文)、簡単なUI操作 |
おすすめ言語 | JavaScript |
FizzBuzz問題
1から順番に数値を表示し、「3で割り切れる場合はFizz」「5で割り切れる場合はBuzz」「両方で割り切れる場合はFizzBuzz」と表示する有名なプログラム問題です。
繰り返し処理と条件分岐の組み合わせを学ぶための、古典的で優れた課題といえるでしょう。
学べること | 繰り返し処理、剰余演算(%)、条件分岐の組み合わせ |
おすすめ言語 | Python、JavaScript、Rubyなど大抵の言語に最適 |
【初級編】基礎が身につく!初心者でも作れるWebサイト・ツール7選
基本的な文法に加え、関数やクラスといった概念を理解し始めた方向けのレベルです。
Webの仕組みやAPI連携など、より実践的な技術に触れることができます。
自己紹介サイト(ポートフォリオサイト)
自分のプロフィールやスキル、制作実績を掲載するシンプルなWebサイトです。
Web制作の最も基本的な技術であるHTMLとCSSの基礎を固めるのに最適です。
デザインにこだわることで、CSSの学習も深まるでしょう。
学べること | HTMLの構造、CSSによるスタイリング |
おすすめ言語 | HTML、CSS |
ToDoリスト(タスク管理アプリ)
タスクを追加、一覧表示、完了(削除)できるシンプルなWebアプリケーションです。
「CRUD(作成・読み取り・更新・削除)」と呼ばれる、Webアプリの基本機能を手を動かしながら学べます。
学べること | DOM操作、イベント処理、CRUDの基本概念 |
おすすめ言語 | HTML、CSS、JavaScript |
天気予報アプリ
地名を入力すると、その場所の現在の天気を表示するアプリケーションです。
外部の天気予報APIを呼び出して、取得したデータを画面に表示します。
API連携の初歩を学ぶのに非常に良い題材です。
学べること | APIの利用方法、JSON形式のデータの扱い |
おすすめ言語 | JavaScript、Python |
簡単なブログシステム
記事の投稿、一覧表示、詳細表示ができるブログシステムです。
データベースを使わずに、ファイルに記事を保存する簡易的なものでも十分な学習になります。
Webアプリケーションが動く仕組みを体系的に理解できます。
学べること | Webフレームワークの基礎、ファイル入出力 |
おすすめ言語 | Ruby (Ruby on Rails)、Python (Django)、PHP (Laravel) |
Webスクレイピングツール
特定のWebサイトから必要な情報(ニュースの見出し、商品の価格など)を自動で収集するツールです。
Webページの構造を解析し、データを抽出する面白さを体験できます。
学べること | HTML構造の解析、ライブラリの利用 |
おすすめ言語 | Python (Beautiful Soup、Scrapy) |
掲示板(BBS)
複数のユーザーが自由に投稿・閲覧できるシンプルな掲示板です。
ユーザーからの入力を受け取り、それを保存して表示するという、Webアプリの基本中の基本を実装できます。
学べること | フォームの扱い、データの永続化(ファイル保存) |
おすすめ言語 | PHP、Ruby、Python |
オセロ・チェスなどのボードゲーム
グラフィカルな盤面上で、コンピュータまたは二人対戦で遊べるボードゲームです。
ゲームのルールという明確なロジックを、プログラミングでどのように表現するかを学ぶ良い練習になります。
学べること | オブジェクト指向プログラミング、二次元配列の扱い、ゲームロジック |
おすすめ言語 | Python (Pygame)、JavaScript、Java |
【中級編】ポートフォリオになる!初心者を卒業した人に作れるもの5選
Webフレームワークやデータベースの知識を本格的に活用するレベルです。
このレベルの制作物を完成させられれば、就職・転職活動でスキルを証明する強力なポートフォリオになります。
SNS風アプリケーション
X(旧Twitter)やInstagramのように、ユーザー登録、ログイン、投稿、フォローといった機能を持つWebサービスです。
Webアプリケーション開発に必要な要素技術(認証、データベース設計など)を網羅的に学ぶことができます。
学べること | ユーザー認証、データベース設計、リレーションシップ |
おすすめ言語 | Ruby (Ruby on Rails)、Python (Django)、PHP (Laravel) |
ECサイト(ネットショップ)
商品の登録・一覧表示、カート機能、簡単な決済機能などを備えたECサイトです。
実際のビジネスに近い要件を実装することで、より実践的な開発スキルが身につきます。
学べること | セッション管理(カート機能)、外部API連携(決済) |
おすすめ言語 | Ruby (Ruby on Rails)、PHP (EC-CUBEのカスタマイズなど) |
予約システム
飲食店の座席や、会議室などを予約できるシステムです。
カレンダー機能や予約枠の管理など、時間と在庫を扱う複雑なロジックの実装に挑戦できます。
学べること | 日時データの扱い、排他制御(同時予約の防止) |
おすすめ言語 | Ruby (Ruby on Rails)、Python (Django) |
チャットアプリケーション
リアルタイムで複数のユーザーがメッセージを送り合えるチャットアプリです。
WebSocketという技術を使い、サーバーとクライアント間の双方向通信を実装します。
学べること | WebSocketによるリアルタイム通信 |
おすすめ言語 | JavaScript (Node.js、Socket.IO) |
レシピ投稿・検索サイト
ユーザーがレシピを投稿し、食材名などで検索できるサイトです。
検索機能の実装や、画像アップロードの処理など、多くのWebサイトで応用できる技術を学べます。
学べること | 検索機能の実装、ファイルアップロード処理 |
おすすめ言語 | Ruby (Ruby on Rails)、PHP (Laravel) |
プログラミング言語によって作れるものが違う
作りたいものから学ぶ言語を選ぶのもおすすめの方法です。
ここでは、主要なプログラミング言語で主に何が作れるのかを一覧で紹介します。
プログラミング言語 | 主に作れるもの |
---|---|
HTML/CSS | Webサイトの見た目、静的なWebページ(企業の公式サイト、自己紹介サイトなど) |
JavaScript | Webサイトに動きをつける、Webアプリケーション、スマホアプリ、ゲーム |
Python | AI・機械学習、データ分析ツール、Webアプリケーション、業務効率化ツール |
Ruby | Webアプリケーション(特にRuby on Railsを使った開発が主流)、Webスクレイピング |
PHP | Webアプリケーション(WordPressのカスタマイズなど、Webサイトのサーバー側で広く利用) |
Java | 大規模な業務システム、Androidアプリ、デスクトップアプリ |
Swift / Kotlin | iOSアプリ(Swift)、Androidアプリ(Kotlin) |
挫折しない!初心者のための学習ロードマップ5ステップ
作りたいものが見つかったら、あとは行動あるのみです。
ここでは、初心者が挫折せずに制作物を完成させるための具体的なステップを紹介します。
STEP1:作りきれそうな小さな目標を決める
プログラミング学習における最初の挫折ポイントは、目標設定が高すぎることです。
いきなり「XのようなSNSを作る!」といった壮大な目標を掲げると、やるべきことの多さに圧倒されてしまいます。
まずは、この記事で紹介した【超初級編】や【初級編】の中から、「これならできそう」と思える小さな目標を選びましょう。
「簡単な電卓」や「ToDoリスト」は、達成感を得やすく、次のステップへの自信に繋がる素晴らしい第一歩です。
STEP2:必要な技術の基礎を学ぶ
作りたいものが決まったら、それを実現するために必要な技術の基礎知識をインプットします。
Progateやドットインストール、paizaラーニングといったオンライン学習サイトを活用し、選んだ目標に関連する言語の基本(変数、条件分岐、繰り返し、関数など)を一通り学びましょう。
ここで大切なのは、完璧主義にならないことです。
すべてを100%理解しようとせず、「なんとなく分かった」という7割程度の理解で次に進む勇気が、挫折を防ぐ鍵になります。
STEP3:とにかく真似して作ってみる
基礎学習を終えたら、いよいよ実践です。
しかし、ゼロから自分でコードを書き始めるのは非常に困難です。
まずは、作りたいものに近いチュートリアル記事やYouTubeの解説動画を探し、その内容をそっくりそのまま真似して(模写して)作ってみましょう。
コードを一行一行書き写す「模写(写経)」は、一見意味がないように感じる人もいるかもしれません。
しかし、「なぜこのコードが必要なのか」を考えるきっかけとなるため、写経は有意義な学習方法なのです。
写経作業は、最初のうちはあまり理解できなくても構いません。
とにかく手を動かして「完成させる」という経験が何よりも重要です。
STEP4:エラーを自力で解決する癖をつける
開発中にエラーが出ないことは絶対にありえません。
むしろ、エラーこそが成長のチャンスです。
エラーメッセージが表示されたら、慌てずにそのメッセージをコピーし、そのままGoogleで検索してみてください。
多くの場合、QiitaやStack Overflowといったサイトで、同じエラーに遭遇した先人たちの解決策が見つかります。
この「エラーメッセージで検索し、解決策を試す」というサイクルを繰り返すことで、エンジニアにとって最も重要なスキルの一つである「自己解決能力」が鍛えられます。
STEP5:自分なりの機能を追加・改造してみる
写経が完了し、チュートリアル通りに動くものが作れたら、最後の仕上げです。
その作品に、一つでよいので「自分だけのオリジナル機能」を追加してみましょう。
例えば、「ToDoリストにタスクの優先度を設定する機能を追加する」「電卓にパーセント計算機能を追加する」といった小さな変更で構いません。
この「改造」のプロセスで、初めて写経したコードの本当の意味を理解し始めます。
この小さな成功体験が、次のより大きな作品作りへの大きなモチベーションとなるでしょう。
なお、ここまでの学習はあくまで基礎レベルです。
より高いレベルのスキルを身に付けるためには、独学のみでは限界があります。
エンジニア転職が可能となるレベルを目指すのならば、プログラミングスクールの利用が大変効率的です。
費用はかかるものの、その分、短期間で高いスキルを習得することができます。
以下の記事では、初心者におすすめの「エンジニア転職に強いスクール」を紹介していますので、是非参考にしてください。
まとめ
今回は、プログラミング初心者が作れるものを、レベル別・言語別に解説しました。
プログラミング学習で最も大切なのは、楽しむことです。
そして、その楽しさを最も感じられる瞬間が、自分の書いたコードで何かが動いた時、そして一つの作品を完成させた時です。
この記事で紹介した16の例の中から、「これなら作れそう!」「これ、作ってみたい!」と思えるものを一つ見つけて、是非開発に取り組んでみてください。