エンジニアの転職回数は平均どれくらい?多いとまずい?転職で年収を上げるコツ

エンジニアの転職回数は平均どれくらい?多いとまずい?転職で年収を上げるコツ エンジニア就職・転職
「エンジニアは転職回数が不利にならないって聞いたけど本当?」
「エンジニアが転職する回数は平均でどれくらい?」
「転職で年収を上げるにはどうすればいい?」

転職を考えているエンジニアの中には、このような疑問を持っている方も多いでしょう。

次の項目で詳しく解説しますが、実際にエンジニアの転職回数はあまりネガティブに捉えられることはありません。

では、なぜエンジニアの転職はマイナスにならないのでしょうか。

この記事では、エンジニアの転職回数がある程度多くても問題がない理由や、転職によって年収を上げるためのコツなどについて詳しく紹介しますので、是非参考にしてください。

【本記事の信頼性】

  • 執筆者は元エンジニア
  • 大手プログラミングスクールのWebディレクター兼ライターを経験
  • 自らも地元密着型のプログラミングスクールを運営
未経験者におすすめの
プログラミングスクール
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【結論】エンジニアは転職回数が不利になることは少ない

【結論】エンジニアは転職回数が不利になることは少ない

エンジニアの転職市場では、転職回数が多いことが必ずしも不利にはなりません。
どの世代でも、エンジニアは転職回数が採用に不利に転ぶことは少ないという調査結果が出ています。

IT業界では技術の進歩が速く、新しいスキルを習得するために転職を選択するエンジニアが多いのが特徴です。
エンジニアは、スキルフィットが最重視される職種であり、転職回数よりも保有スキルや実務経験が重視される傾向にあります。

実際に、「スキルアップのため」「やりたいことのため」といった向上心による転職が多いことから、むしろ転職が歓迎されている職種といえるでしょう。

企業側も、エンジニアの転職については一定の理解を示しており、キャリアアップを目的とした転職であれば、むしろポジティブに評価されることも少なくありません。

ただし、転職理由が明確でない場合や、短期間での転職を繰り返している場合は注意が必要です。
目的意識を持った転職であることを、面接で適切に説明できることが重要になります。

【年代別】エンジニアの平均転職回数

【年代別】エンジニアの平均転職回数

エンジニアの転職回数は年代によって大きく異なります。

以下に、様々な調査データから判明した、年代別の転職回数を掲載します。
世代が上がるほど転職回数は多くなり、転職回数が一番多い世代は40代であることがわかります。

年代 転職経験なし 転職1回 転職2回 転職3回以上 平均転職回数
20代 約51% 約20% 約15% 約14% 0.7〜0.9回
30代 約30% 約25% 約20% 約25% 1.5〜2回
40代 約20% 約20% 約25% 約35% 3〜4回
50代 約34% 約20% 約20% 約26% 2〜3回

20代では転職をしたことがないエンジニアが過半数を超えますが、30代になると回数は多くなっていることがわかります。
20代で基礎的なスキルや経験を積み、30代で本格的なキャリアチェンジを図るエンジニアが多いためです。

特筆すべきは、50代よりも40代のほうが転職回数が多いという点です。

これは世代的な違いが影響しており、50代は終身雇用の価値観が残る世代である一方、40代はより柔軟にキャリアを考える世代であることが要因として挙げられます。

エンジニアの転職回数が多い理由

エンジニアの転職回数が多い理由

エンジニアが、他の職種と比べて転職を繰り返すことが多い背景には、IT業界特有の事情があります。

技術革新の速さ、慢性的な人材不足、そして給与体系の特殊性など、複数の要因が転職を促進しているのです。

ここでは、エンジニアの転職回数が多くなる3つの主要な理由を詳しく解説します。

よりスキルアップできる環境を求めるから

エンジニアが転職する最大の理由は、技術力向上への強い意欲です。

エンジニアにとって、常に最新の技術を学び続けることは非常に重要です。
現在の職場で新しい技術に触れる機会が限られている場合、スキルアップを目的として転職を考えるエンジニアが増えています。

IT業界は技術革新のスピードが速く、AIや機械学習、クラウド技術など、新しい技術が次々と登場します。
現在の職場でこれらの最新技術に触れる機会がない場合、エンジニアは自身の市場価値を維持・向上させるために転職を選択することも多いでしょう。

特定の企業に留まることで技術的な成長が停滞することを避け、より高度な開発環境や挑戦的なプロジェクトを求めて転職することは、エンジニアにとって自然な選択といえます。

エンジニアは常に人材不足の状況だから

経済産業省の調査によると、2030年には最大で79万人のIT人材が不足すると予測されています。

経済産業省 - ITエンジニアの人材不足

この深刻な人材不足が、エンジニアの転職を活発化させる大きな要因となっています。

IT業界では、エンジニアを欲する企業に対して、供給がまったく足りていないため売り手市場です。
企業は優秀なエンジニアを確保するために、好条件での採用を積極的に行っており、エンジニアにとって転職しやすい環境が整っているのです。

特に、AI、クラウド、セキュリティ、ブロックチェーンなどの先端技術分野では、人材不足が深刻化しています。

これらの分野では、専門スキルを持つエンジニアに対して市場平均を大きく上回る条件が提示されることも珍しくありません。

このような状況が、エンジニアの転職を後押しする要因となっているのです。

年収バグが発生する可能性があるから

エンジニア業界では「年収バグ」と呼ばれる現象が話題になっています。

「自社内で昇給を頑張るよりも、転職した方が昇給できるバグがある」という表現が、SNSなどで拡散され、多くのエンジニアの転職動機となっています。

実際のデータを見ると、20代前半のITエンジニアが5年に1回転職した場合、1回も転職しないITエンジニアと比べ、20代後半の時点で約23万円、30代前半で約49万円、30代後半で約83万円ほど年収が増え、生涯年収に1000万円ほどの差が生まれています。

日本の大手IT企業で5年以上勤務しているエンジニアの平均年収上昇率は、年2〜3%程度にとどまっている一方で、転職によって年収が20〜30%上昇したケースも珍しくありません。

この大きな差が、まさに「年収バグ」と呼ばれる現象です。

社内の昇給制度では、市場価値に見合った報酬を得られないケースが多く、転職によって適正な評価を受けることができるのです。

エンジニアが転職することによって得られる具体的なメリット

エンジニアが転職することによって得られる具体的なメリット

転職はリスクを伴う一方で、エンジニアにとって大きなチャンスでもあります。

実際に転職を経験したエンジニアの多くが、キャリア面・金銭面・人間関係の面で明確なメリットを実感しています。

ここでは、データに基づいた転職の3大メリットを具体的に紹介します。

年収が上がりやすい

エンジニアの転職において、最も魅力的なメリットは年収アップです。
転職活動を経験したエンジニアのうち、67.0%が「年収が増えた」と回答しているという調査結果があります。

転職時の職種別の年収アップ幅を見ても、「技術職(SE、インフラエンジニア、Webエンジニア)」は113万8375円と非常に高いことが明らかになっています。

ただし、年収アップには最適な転職回数があることも覚えておきましょう。

調査では、転職回数2回までの人が最も高い賃金上昇率(約60%)を記録しており、それ以上になると上昇率が鈍化する傾向があります。

この結果から、計画的な転職が重要だということがわかります。

いろいろなスキルが身に付く

転職を通じて、エンジニアは多様なスキルを習得できるため、転職回数が多い人は各業界の特性や職種ごとの知識を幅広く持っていると期待されます。
異なる企業や業界での経験は、技術的な視野を広げる絶好の機会となります。

例えば、スタートアップから大企業への転職では、小規模開発から大規模システム開発への移行を経験できます。
逆に、大企業からスタートアップへの転職では、スピード感のある開発や新技術の導入を体験できるでしょう。

転職のたびに、新たな知見やスキルを習得して成長してきたことを企業にアピールできます。

人脈が広がる

転職を重ねることで、エンジニアとしての人脈が大きく広がります。
異なる企業で働くことは、それだけ多くの技術者と出会い、つながりを作るチャンスが増えることを意味します。

例えば、A社で知り合った先輩エンジニアから最新技術の勉強会を紹介してもらったり、B社の元同僚から新しいプロジェクトへの参加を打診されたりすることがあります。

このような人脈は、技術的な悩みを相談できる相手が増えるだけでなく、キャリアの選択肢を広げてくれる貴重な財産となるでしょう。

また、様々な企業文化を経験することで、どんなタイプの人とでも円滑に仕事ができる適応力が身につきます。
スタートアップの自由な雰囲気から大企業の組織的な環境まで、幅広い働き方を知ることで、コミュニケーション能力が自然と向上していくはずです。

転職回数の多さが不利になるケース

転職回数の多さが不利になるケース

エンジニアの転職はキャリアアップの手段として有効ですが、やり方を間違えると逆効果になることもあります。

採用担当者が警戒するパターンや、転職活動が困難になる条件があることを知っておくことが大切です。

ここでは、転職回数が多いことがマイナスに働く3つのケースを解説します。

転職のスパンが短すぎる

転職回数そのものよりも、転職間隔の短さが問題視されることがあります。

一般的に「短期間での転職」と言えば、数ヶ月から1年程度での転職のことを指します。

このような短期間での転職を繰り返している場合、

「社会性が欠如しているのではないか?」
「人間性に致命的な問題を抱えているのではないか?」
「忍耐力や継続力がないのではないか?」

といったネガティブな印象を持たれる可能性があります。

また、転職回数が多いと1つの職場での勤続期間が短くなるため、責任のあるポジションや難易度の高い仕事を任される経験が少なくなります。

プロジェクトの途中で退職している場合は、一部の業務しか経験できず、スキルの蓄積が不十分と見なされることもあるでしょう。

企業側としては、採用コストや教育コストを回収する前に退職されることを懸念します。
そのため、各企業での在籍期間は最低でも2〜3年は必要と考える採用担当者が多いのが実情です。

退職理由がネガティブ

転職理由の伝え方は、採用の可否を左右する重要な要素です。
面接でネガティブな転職理由を口にすると、印象ダウンは避けられません。

「残業が多い」「有給が取れない」「給料が安い」といった転職理由が本音だったとしても、それをそのまま伝えると「自分の考えが甘かっただけでは?」「単純にわがままなのでは?」と捉えられてしまうでしょう。

企業側は、同じような不満を持った場合、また転職してしまうのではないかと懸念します。

さらに、転職回数の多さを会社や職場環境のせいにする人がいますが、そうするとさらに印象が悪くなってしまいます。

他責的な姿勢は、問題解決能力の欠如や協調性の不足を連想させ、採用を見送る要因となりかねません。

転職理由を伝える際は、前向きな動機に変換することが重要です。
例えば、「より高度な技術に挑戦したい」「新しい分野でスキルを活かしたい」といったポジティブな理由を中心に据えることで、印象は大きく変わります。

40代以降の転職

40代以降の転職では、求められるスキルセットが変化し、転職の難易度が上がる傾向にあります。

30代後半から50代では、マネジメント能力の高さが年収の多さの要因となることが多いため、技術力だけでは評価されにくくなります。

40代のエンジニアは、マネジメント等の他社員にも影響を与えるような重要ポジションを任せることを前提に考えている企業も多いため、マネジメント経験がない場合は転職が困難になるかもしれません。

また、50代で自分のキャリアを考え直し改めて転職しようと思っても、既に時遅しという現実もあります。

したがって、40代以降でもエンジニアとしての転職を成功させるには、技術力に加えてマネジメント能力やビジネススキルを身につけておくことが不可欠です。

転職回数が多いエンジニアに対して企業が不安に思うこと

転職回数が多いエンジニアに対して企業が不安に思うこと

企業が、転職回数の多いエンジニアに対して抱く最大の不安は、「早期離職のリスク」です。

企業はもちろん、採用したエンジニアが長期間働いてくれることを望んでいます。
しかし転職回数が多ければ、「うちもすぐに辞めてしまうのではないか」と思われてしまう可能性は拭えません。

企業にとって、採用や教育にかかるコストは決して小さくありません。
せっかく投資をしても、短期間で退職されてしまえば、その投資が無駄になってしまいます。

また、転職回数が多いエンジニアに対しては、人間関係やコミュニケーション能力に問題があるのではないかとの疑念が生じる可能性があります。
チーム開発が主流となっているIT業界では、協調性は非常に重要な要素です。

これらの不安を払拭するためには、転職理由を明確に説明し、各転職で得た成果を具体的に示すことが重要になります。

エンジニアが転職する際に年収を上げるためのポイント

エンジニアが転職する際に年収を上げるためのポイント

転職で年収アップを実現するには、ただ適当に転職するだけでは駄目です。

単に転職すれば給与が上がるわけではなく、自身の価値を最大限にアピールし、適切な企業を選ぶことが成功の鍵となります。

ここでは、年収アップを実現するための3つの重要なポイントを紹介します。

転職回数が多い理由をポジティブに伝える

転職回数が多いことを強みに変えるには、その理由を前向きに説明することが重要です。

「転職回数が多い=新しい環境への適応能力が高い」といえます。
この視点を活かして、自身の転職歴をポジティブにアピールしましょう。

転職を通してどんな成長をしたかったのか、その結果どうなったのか、次の転職では…という成長軸も、前向きな意志が伝わるでしょう。

例えば、「各転職で新しい技術領域に挑戦し、フルスタックエンジニアとしてのスキルセットを構築してきた」といったような説明は効果的です。

また、転職回数が多い人は、「周囲の人間とうまくやっていけないのでは?」という疑念を持たれがちですので、協調性やコミュニケーション能力をアピールすることも重要です。

「様々なタイプのチームメンバーと協働してきた経験から、柔軟なコミュニケーション能力を身につけた」といった形で、転職経験を強みとして提示するようにしましょう。

自分のスキルが高く評価されそうな企業を選ぶ

エンジニアが転職で年収を上げるには、自分のスキルを高く買ってくれる企業を見つけることが大切です。
同じプログラミング言語ができても、A社では年収500万円、B社では800万円ということが実際によくあります。

なぜこのような差が出るかというと、企業が「今まさに必要としているスキル」を持っているかどうかで決まるからです。

例えば、Pythonができるエンジニアの場合、AI開発に力を入れている企業なら高く評価されますが、Webサイト制作が中心の企業ではそれほど評価されないかもしれません。

企業の種類によっても、求められるものが違います。

大企業は「この技術なら誰にも負けない」という専門家を求める傾向がありますが、ベンチャー企業は「何でもできる万能型エンジニア」を欲しがることが多いです。

自分のスキルと相性の良い企業を探すことで、効率的に年収アップを実現できるでしょう。

将来のキャリアプランを明確に伝える

企業は、長期的に活躍してくれる人材を求めています。
そのため、転職回数が多い場合、自身のキャリアプランを明確に説明できることが重要です。

キャリアプランを伝える際は、以下の点を整理しておくとよいでしょう。

  1. これまでの転職がどのようにキャリア形成に影響したかを伝える
  2. 今回の転職がキャリアプランにおいてどのような位置づけなのかを明確にする
  3. 入社後にどのような貢献ができるか、将来的にどのようなポジションを目指しているかを具体的に示す

例えば、「これまでの転職で培った幅広いスキルを活かし、貴社でテックリードとして技術選定や若手育成に貢献したい」といった具体的なビジョンを示すと効果的です。

また、将来的に目指すキャリアのために必要なスキルを身につけたいと考えての転職であれば、複数回転職していることはそれほど問題視されません。
転職回数の多さを、計画的なキャリア形成の証として提示することで、企業の不安を払拭し、より高い評価を得ることができるでしょう。

まとめ

エンジニアの転職回数は、適切に説明できれば決して不利にはなりません。
むしろ、多様な経験やスキルを持つ証として、強みに変えることができます。

エンジニアとして長期的なキャリアを築くためには、単に転職回数を増やすのではなく、各転職が自身の成長につながるよう、戦略的にキャリアを設計することを心掛けてください。

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