エンジニアがポートフォリオをGitHubにアップすべき理由と公開方法

エンジニアがポートフォリオをGitHubにアップすべき理由と公開方法 エンジニア就職・転職

エンジニアとしての就職や転職、案件獲得において、自身のスキルや実績を証明するポートフォリオは不可欠な存在です。

そして、数あるポートフォリオ公開サービスの中でも、多くのエンジニアに選ばれているのがGitHub(ギットハブ)です。

この記事では、エンジニアにとって、なぜGitHubでポートフォリオを公開することが重要なのか、その理由と具体的な公開手順をわかりやすく解説します。

これからポートフォリオを作成する方や、どこで公開すべきか迷っている方はぜひ参考にしてください。

【本記事の信頼性】

  • 執筆者は元エンジニア
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ポートフォリオ公開の定番サービス「GitHub」とは

ポートフォリオ公開の定番サービス「GitHub」とは画像引用:https://github.co.jp/

GitHub(ギットハブ)とは、世界最大級の開発プラットフォームであり、ソースコードを管理・共有するためのWebサービスです。
もともとは、Gitというバージョン管理システムを使いやすくするためのものでしたが、現在ではエンジニアのソーシャルネットワークのような側面も持っています。

世界中のエンジニアが、自身の作成したプログラムのソースコードをリポジトリ(保管場所)に保存し、公開しています。
これにより、他のエンジニアと協力して開発を進めたり、優れたコードを参考にしたりすることが可能になりました。

単なるコードの保管場所にとどまらず、「GitHub Pages」という機能を使えば、作成したWebサイトやアプリケーションを無料で公開することもできます。

この機能があるために、多くのエンジニアがポートフォリオの公開場所としてGitHubを選んでいるのです。

採用担当者も、エンジニアのGitHubアカウントをチェックするのはもはや常識となっており、エンジニアにとって必須のツールと言えるでしょう。

エンジニアがGitHubにポートフォリオをアップすべき理由

エンジニアがGitHubにポートフォリオをアップすべき理由

エンジニアがGitHubにポートフォリオをアップすべき理由は、すでに前項で簡単に説明しましたが、ここではさらに詳しく解説していきます。

ソースコードだけでなく「動くサイト・アプリ」も見せられる

GitHubの強力な機能の一つに「GitHub Pages」があります。
これは、リポジトリにアップロードしたHTML、CSS、JavaScriptといった静的なファイルを、Webサイトとして無料で公開できる機能です。

通常のポートフォリオサイトでは、スクリーンショットや文章で「このようなものを作りました」と説明するのが一般的でしょう。
しかし、GitHub Pagesを利用すれば、採用担当者やクライアントが実際にそのサイトやアプリケーションを操作し、動作を確認できます。

例えば、独創的なUI/UXを持つWebアプリケーションを開発した場合、その使い心地やアニメーションの滑らかさは、言葉で説明するよりも実際に触れてもらうのが一番です。

ソースコードの品質を見せると同時に、完成品としての「動くプロダクト」を提示できることは、自分のスキルを具体的にアピールする上で非常に大きなアドバンテージとなるでしょう。

GitHubのスキルがあることを証明できる

現在では、ほとんどのIT企業の開発現場において、バージョン管理システムとしてGit、そしてそのホスティングサービスとしてGitHubが利用されています。
チームでの共同開発において、GitHubを使いこなせることは、もはやエンジニアの基礎スキルと言っても過言ではありません。

ポートフォリオをGitHubで管理し、公開しているという事実そのものが、「自分はGitおよびGitHubの基本的な操作を理解している」ということの証明になります。

Git/GitHubの基本操作例 説明
commit ファイルの変更履歴を保存する操作
push ローカルの変更履歴をリモートリポジトリ(GitHub)にアップロードする操作
pull request 変更内容を他の開発者にレビューしてもらうためのリクエスト
merge 他のブランチの変更内容を現在のブランチに取り込む操作

これらの操作履歴はすべてGitHub上に記録として残るため、採用担当者は、応募者がどのように開発を進め、コードを管理しているかを確認できます。

そのため、ただポートフォリオを公開するだけでなく、Git/GitHubを実践的に活用できるエンジニアであることを自然にアピールできるのです。

継続的な学習履歴を残せる

GitHubには、コントリビューションという機能があり、活動量が緑色のグラフで可視化されます。
これは「草を生やす」とも呼ばれ、日々のコーディング活動が一目でわかるようになっています。

具体的には、リポジトリへのコミットやプルリクエストの作成など、GitHub上での活動が記録され、その頻度に応じてグラフの色が濃くなります。
このコントリビューショングラフは、自分がどれだけ継続的に学習や開発に取り組んでいるかを示す客観的な指標となります。

例えば、毎日少しずつでもコーディングを続けていれば、グラフは綺麗な緑で埋め尽くされていくでしょう。

これは、技術に対する高いモチベーションや学習意欲、そして自己管理能力があることの強力なアピールになります。

特に未経験からの転職を目指す場合、実務経験がない分、こうした日々の努力の積み重ねを可視化することが、他の候補者との差別化につながる重要な要素となるかもしれません。

自分のスキルレベルを明確に伝えられる

履歴書や職務経歴書に「JavaScriptが得意です」「Reactを使った開発経験があります」と書くだけでは、そのスキルレベルがどの程度なのかを正確に伝えることは困難です。
しかし、GitHubでソースコードを公開すれば、自分のスキルレベルを具体的なコードで示すことができます。

エンジニアの採用担当者は、主に以下のような点をチェックしています。

  • コードの可読性:変数名や関数名が適切か、コメントは分かりやすいか
  • 設計:コンポーネントの分け方やディレクトリ構造が適切か
  • 使用技術:どのようなライブラリやフレームワークを、どう活用しているか
  • 問題解決能力:どのような課題を、どういったアプローチで解決しようとしたか

ソースコードは、エンジニアにとっての「作品」そのものです。
美しく、効率的に書かれたコードは、自分の技術力の高さを雄弁に物語ります。

また、プロジェクトの概要や使い方を記した「README.md」ファイルを丁寧に記述することで、ドキュメンテーション能力やコミュニケーション能力をアピールすることも可能です。

言葉だけでは伝わらない「本物のスキル」を証明できる点が、GitHubをポートフォリオとして利用する最大のメリットです。

エンジニアがGitHubを使ってポートフォリオを公開する方法

エンジニアがGitHubを使ってポートフォリオを公開する方法

ここからは、実際にGitHubを使ってポートフォリオを公開するための具体的な手順を、4つのステップに分けて解説します。

専門用語も出てきますが、一つひとつ丁寧に進めれば、初心者でもポートフォリオを公開できますので、ぜひ挑戦してみてください。

1.GitHubアカウントの作成

まずはGitHubの公式サイトにアクセスし、アカウントを作成する必要があります。
開いたページにて、「GitHubに登録する」というボタンを押して、アカウントの作成を始めます。

まずは、画面の指示に従い、メールアドレス、パスワード、ユーザー名などを入力してください。

ユーザー名は、自分のGitHub上でのIDとなり、ポートフォリオのURLにも含まれるため、シンプルでわかりやすいものをおすすめします。

認証メールが届いたら、メール内のリンクをクリックして登録を完了させます。

これでGitHubを利用する準備が整いました。
プロフィール設定画面で、アイコンや自己紹介などを充実させておくと、より良い印象を与えられるでしょう。

2.リポジトリを作成

次に、ポートフォリオのソースコードを保管するための「リポジトリ」を作成します。
リポジトリとは、プロジェクトのファイルや履歴をまとめて管理する場所のことです。

GitHubにログインし、画面右上の「+」アイコンから「New repository」を選択します。

「Repository name」に、ポートフォリオのリポジトリであることが分かる名前(例: portfolio, my-websiteなど)を入力してください。

その後、「Public」を選択します。
Privateにすると、他の人から見えなくなってしまうため、必ずPublicに設定しましょう。

また、「Add a README file」にチェックを入れておくことを強く推奨します。
READMEファイルは、そのプロジェクトの「説明書」となる重要なファイルだからです。

最後に、「Create repository」ボタンをクリックすれば、リポジトリの作成は完了です。

このリポジトリが、自分のポートフォリオ作品の置き場となります。

3.ポートフォリオとして公開するソースコードをアップロード

リポジトリを作成したら、いよいよ自分が作成したポートフォリオのソースコードをアップロードします。
アップロードには、Gitコマンドを使用するのが一般的です。

まず、作成したリモートリポジトリ(GitHub上のリポジトリ)を、自分のPC(ローカル環境)に複製(clone)します。

git clone https://github.com/あなたのユーザー名/リポジトリ名.git

次に、複製したディレクトリに移動し、ポートフォリオのファイル(HTML, CSSなど)を追加します。
その後、以下のコマンドを順番に実行することで、GitHubにファイルがアップロード(push)されます。

# 変更内容をステージングエリアに追加
git add .

# 変更内容をコミット(履歴として保存)
git commit -m "ポートフォリオの初回コミット"

# GitHubのリモートリポジトリに変更内容をプッシュ
git push origin main

これらのコマンド操作が、開発現場で日常的に行われているバージョン管理の基本です。
最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れていきましょう。

4.アップロードしたサイトやアプリを公開

ソースコードのアップロードが完了したら、最後の仕上げとして、その内容をWebサイトとして公開します。

この設定にはGitHub Pagesを利用します。

  1. 作成したリポジトリのページを開き、「Settings」タブをクリックしてください。
  2. 左側のメニューから「Pages」を選択します。
  3. 「Build and deployment」の項目にある「Source」で、「Deploy from a branch」を選びます。
  4. 「Branch」の項目で、公開したいソースコードがあるブランチ(通常はmainまたはmaster)と、フォルダ(通常は/root)を選択し、「Save」をクリックします。
  5. 設定が完了すると、画面上部に「Your site is live at https://あなたのユーザー名.github.io/リポジトリ名/」といった形で、公開されたサイトのURLが表示されます。

このURLが、あなたのポートフォリオサイトのアドレスです。
URLをクリックして、サイトが正しく表示されるか確認しましょう。

以上で、GitHubによるポートフォリオの公開は完了です。

GitHubで公開されているエンジニアのポートフォリオ例

GitHubで公開されているエンジニアのポートフォリオ例

理論や手順だけでなく、実際の優れたポートフォリオを見ることは、自身の作品作りの大きなヒントになります。

ここでは、GitHubで公開されている素晴らしいポートフォリオの例を2つご紹介します。

mokomokaさんのGitHubポートフォリオ

GitHubのポートフォリオ例1

URL: https://github.com/mokomoka

mokomokaさんのGitHubポートフォリオは、エンジニアとしての多様なスキルを効果的にアピールする優れた事例です。

HTML、Processing、JavaScript、Python、Kotlinと幅広い技術領域をカバーしており、フロントエンド開発からクリエイティブコーディング、モバイルアプリ開発まで対応できる柔軟性を示しています。

特に注目すべきは、各プロジェクトが実践的な用途を持っていることです。
ポートフォリオページ、SlackBot、ワードクラウド生成、Android アプリなど、いずれも実際のビジネスシーンで活用できる技術を扱っています。

また「練習用」や「ICT演習向け」といった記載により、学習過程を透明化し、継続的な成長意欲をアピールしている点も好印象です。

このポートフォリオは、完璧な作品を少数展示するのではなく、学習プロセスを含めた多様な取り組みを公開することで、技術者としての幅広い可能性と成長性を効果的に伝えています。

takanekoさんのGitHubポートフォリオ

takanekoさんのGitHubポートフォリオ

URL:https://github.com/takaneko

takanekoさんのポートフォリオは、GitHubリポジトリと技術ブログ(takaneko.dev)を連携させた高度な技術者アピール戦略が特徴的です。

Swift、TypeScript、Rubyなど複数の言語を扱い、SlackKitやPlaywrightといった実用的なツールに関わるプロジェクトを展開しています。

特に注目すべきは、単なるコード公開にとどまらず、技術ブログで具体的な課題解決プロセスを詳細に記録している点です。
「ecs execute-commandできない事象の調査」や「react-flowを使ったアプリでonNodeDragが動かないバグの調査」など、実務で直面した技術的困難とその解決策を体系的に文書化しています。

この手法により、コードを書くだけでなく問題解決能力と技術的洞察力を効果的に証明しています。

まとめ

以上、エンジニアがGitHubでポートフォリオを公開すべき理由や、具体的な公開方法、GitHubのポートフォリオ例などについて詳しく紹介してきました。

GitHubでポートフォリオを公開することは、単に制作物を見せるだけでなく、Git/GitHubのスキル、継続的な学習意欲、そしてコードレベルでの技術力を証明することにつながります。

これらの要素は、自分のエンジニアとしての価値を多角的にアピールするための強力な武器となるでしょう。

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