データベースエンジニアの平均年収や中央値は？収入を上げる方法も紹介

これからデータベースエンジニアを目指そうと考えている人・働き始めたばかりの人の中には、「データベースエンジニアの平均年収や中央値はどれくらいなのか？」と気になっている人も多いのではないでしょうか。

また、どうすればデータベースエンジニアとして年収を上げられるのかも、知っておきたいポイントでしょう。

そこでこの記事では、データベースエンジニアの平均年収について年代別に紹介しつつ、中央値についても公開します。

また、データベースエンジニアとしての仕事のやりがい、将来性、そして年収アップの具体的な方法も解説しますので、是非参考にしてください。

データベースエンジニアとは

データベースエンジニアは、現代のデジタル社会において不可欠な存在です。
企業の心臓部ともいえるデータを、安全かつ効率的に管理し、活用するためのシステムを構築・運用する専門家といえるでしょう。

役割

データベースエンジニアの主な役割は、企業や組織が保有する膨大なデータを管理・運用するためのデータベースシステムを設計、構築、保守することです。

具体的には、データの整合性を保ち、セキュリティを確保し、高速なデータアクセスを可能にするための基盤を整備する業務を担っています。

単にシステムを作るだけでなく、将来的なデータ量の増加や新しい技術の導入にも対応できるよう、拡張性や柔軟性を持たせた設計が求められます。

データは企業の重要な資産であるため、その管理は非常に責任が重い仕事です。

仕事内容

データベースエンジニアの仕事内容は、多岐にわたります。

まず、新規システム開発時には、要件に応じた最適なデータベース設計を行います。
テーブル構造やインデックスの設計、正規化の実施など、将来の拡張性も考慮した設計が求められるでしょう。

日常的な運用業務では、パフォーマンスチューニングやバックアップ作業、アクセス権限の管理などを担当します。
SQLクエリの最適化やストレージ容量の監視も重要な仕事です。

トラブルシューティングでは、原因究明から改善策の実装まで、技術的な判断力が試されます。

さらに、データ移行プロジェクトや災害復旧計画の策定、新技術の検証と導入提案なども担当範囲に含まれるでしょう。

データベースエンジニアの平均年収は596万円

求人ボックスの最新データによると、データベースエンジニアの仕事の平均年収は約596万円となっています。
これは日本の平均年収と比較すると高い水準にあり、IT業界の中でも安定した収入が期待できる職種と言えるでしょう。

月給換算では約50万円、派遣社員の場合は平均時給2,093円という水準です。

給与分布を見ると、514〜604万円の水準に最も多くのエンジニアが集中しています。
全体の給与幅は334万円から1,055万円と広く、経験やスキル、勤務先によって大きな差があることがわかります。

企業のデータ基盤を支える重要な役割を担うことから、専門性に応じた報酬が設定されているのが特徴でしょう。

【年代別】データベースエンジニアの平均年収

データベースエンジニアの年収は、経験を積むごとに着実に上昇していく傾向があります。

年齢とキャリアの成熟度に応じて、担当する業務の責任も大きくなるため、それに見合った報酬体系となっています。

20代の平均年収

20代のデータベースエンジニアの平均年収は、20代前半で339万円、20代後半で445万円となっています。

新卒や第二新卒として入社した場合、基本的なスキルを身につけながら実務経験を積む期間です。
この時期は先輩エンジニアの指導のもと、データベースの基礎知識やSQL操作、簡単な設計業務などを学んでいきます。

20代後半になると、独力でデータベース構築や運用保守を担当できるようになり、年収も100万円以上アップすることが一般的でしょう。

資格取得や新しい技術の習得に積極的に取り組むことで、30代での大幅な年収アップにつながります。

参考：求人ボックス

30代の平均年収

30代のデータベースエンジニアは、30代前半で533万円という平均年収となり、500万円の大台を超えてきます。
この年代では、複雑なデータベース設計やパフォーマンスチューニング、大規模システムの構築など、より高度な業務を任されるようになるでしょう。

また、チームリーダーやプロジェクトのサブリーダーとして、メンバーの育成や進捗管理を担当する機会も増えてきます。

技術面だけでなくマネジメントスキルも求められる時期となり、30代はキャリアの分岐点となることが多い年代です。

クラウドデータベースやビッグデータ関連の新技術に精通することで、さらなる年収アップが期待できます。

参考：求人ボックス

40代の平均年収

40代では、600万円以上の年収が見込めます。
具体的な平均年収としては、40代前半で621万円、40代後半で651万円となります。

40代のデータベースエンジニアは、豊富な経験と高度な専門知識を持ち、組織の中核を担う存在となります。
大規模プロジェクトの責任者や、データベースアーキテクトとして全社的なデータ戦略の策定に関わることも増えるでしょう。

管理職への昇進も視野に入ってくる年代であり、技術的な専門性を維持しながらビジネス視点での判断力も求められます。

複数のデータベース製品に精通し、最適なソリューション選定ができる人材は特に高く評価されます。

参考：求人ボックス

50代の平均年収

50代のデータベースエンジニアの平均年収は、50代前半の666万円がピークとなります。

この年代では、長年培った経験と知識を活かし、企業のデータ戦略全体を統括する立場になることが多いでしょう。
若手エンジニアの育成や技術継承も重要な役割となります。

ただし、50代後半以降は年収が横ばい、または微減する傾向にあります。
とはいえ、最新技術へのキャッチアップを怠らず、コンサルタントやアドバイザーとしての新たな価値を提供できる人材は、引き続き高い年収を維持できるでしょう。

参考：求人ボックス

データベースエンジニアの年収の中央値

データベースエンジニアの年収を考える上で、平均年収だけでなく中央値も重要な指標となります。

平均年収は、極端に高い（または低い）年収が加わると数値が大きく変動しやすいですが、中央値はデータを昇順（または降順）に並べたときに中央に位置する値であるため、より実態に近い年収水準を示す傾向があります。

2025年におけるデータベースエンジニアの年収の中央値は、おおよそ450万円程度と推測されます。

これは、多くのデータベースエンジニアがこの水準か、その前後の年収を得ていることを示しています。

特に、経験が3年から5年程度のデータベースエンジニアは、中央値付近の年収になるおとが多いでしょう。

データベースエンジニアの仕事のやりがい3選

データベースエンジニアの仕事には、技術的な挑戦と企業への貢献という大きなやりがいがあります。
責任は重いものの、その分達成感も大きい職種です。

「データベース」というシステムの根幹を担当できる

データベースは、あらゆるITシステムの心臓部として機能します。
データベースエンジニアは、この重要な基盤を設計・構築・運用する責任を担い、システム全体のパフォーマンスや安定性を左右する立場にあります。

例えば、ECサイトの商品情報や顧客データ、金融機関の取引記録など、ビジネスの根幹となるデータを扱うため、自分の仕事が企業活動に直結していることを実感できるでしょう。

また、データベースの設計次第でシステム全体の性能が大きく変わるため、技術者としての腕の見せ所でもあります。
トラブルを未然に防ぎ、安定稼働を実現できたときの達成感は格別です。

企業の業務効率化に大きく貢献できる

データベースの最適化により、企業の業務効率を劇的に改善できることも大きなやりがいです。

例えば、検索速度を数秒から数ミリ秒に短縮することで、業務担当者の待ち時間を大幅に削減できます。

また、適切なインデックス設計やクエリチューニングにより、レポート作成時間を数時間から数分に短縮したり、バッチ処理の実行時間を大幅に短縮したりすることも可能です。

こうした改善は、現場の生産性向上に直結し、感謝の声を直接聞く機会も多いでしょう。
データの一元管理により、部門間の情報共有もスムーズになり、組織全体の意思決定スピードの向上にも貢献できます。

クラウドやAIといった最新領域に関わることが多い

現代のデータベースエンジニアは、クラウドデータベースやビッグデータ、AI・機械学習など、最先端の技術領域に関わる機会が豊富です。

AWS RDSやAzure SQL Database、Google Cloud SQLなどのクラウドサービスを活用した構築・運用は、もはや当たり前になっています。

また、AIや機械学習のためのデータ基盤構築など、データサイエンス分野との連携も増えており、常に新しい知識を吸収しながら成長できる環境があります。

技術の進化に合わせて自身もアップデートし続けられることは、エンジニアとしての大きな魅力でしょう。

データエンジニアの将来性

データベースエンジニアの将来性は、技術の進化とともに変化しつつも、依然として明るいと言えます。

AI、ビッグデータ、DX、クラウドなどの技術がより進む中、ITシステムのバックエンドを支えるデータベースの重要性はますます高まることが予想されるため、需要は今後も継続するでしょう。

一方で、従来のデータベースエンジニアの業務である「データベースの運用保守」や「管理」のみに従事する人材の需要は減少傾向にあることも事実です。
クラウドサービスの普及により、従来の運用保守業務の多くが自動化されているためです。

将来性の高いデータベースエンジニアになるためには、設計・構築のスキルや、データベースのスケールアップ、クラウド化といったような最先端技術に対応できる人材になることが重要でしょう。

また、データベースの専門知識に加えて、プログラミングやセキュリティなど周辺技術も習得することで、市場価値の高いエンジニアとして活躍できます。

データベースエンジニアに向いている人の特徴

データベースエンジニアとして成功するためには、技術だけでなく、特定の資質や性格も重要な要素となります。

以下の特徴を持つ方は、この職種で活躍できる可能性が高いでしょう。

問題解決能力が高い

データベースエンジニアの仕事では、日々様々な技術的課題に直面します。

例えば、パフォーマンスの低下、データの不整合、システム障害など、迅速な解決が求められる問題が発生することがありますが、こうした状況でも、原因を論理的に分析し、最適な解決策を導き出せる能力は不可欠です。

また、問題を未然に防ぐための予防的な思考も重要となります。
将来起こりうるトラブルを想定し、事前に対策を講じることができる人材は、組織にとって非常に価値があります。

複雑な問題に対しても諦めずに取り組み、創造的な解決策を見出せる人は、データベースエンジニアとして成功しやすいでしょう。

細部にまで気を配れる注意力を持っている

データベース設計では、わずかなミスが大きな問題につながる可能性があります。

例えば、インデックスの設定ミスによってクエリの実行時間が数百倍になったり、データ型の選択ミスによってストレージを無駄に消費したりすることがあります。

そのため、設計段階から細部にまで注意を払い、正確性を保つことが求められます。
テーブル間の関係性、データの整合性、制約条件など、多くの要素を同時に考慮しながら、ミスのない設計を行う必要があるのです。

また、ドキュメント作成においても、後任者が理解しやすいよう、詳細かつ正確な記録を残すことが重要です。

地道な作業が苦にならない

データベースエンジニアの仕事には、華やかさよりも堅実さが求められる場面が多くあります。

大量のログファイルを分析してパフォーマンスボトルネックを特定したり、定期的なメンテナンス作業を確実に実行したり、といった例が代表的です。

また、データ移行作業では、何百万件ものレコードを正確に処理する必要があり、地道な検証作業が欠かせません。
こうした作業を着実にこなし、品質を保ちながら完遂できる忍耐力と責任感が必要です。

目立たない作業でも、その重要性を理解し、誇りを持って取り組める人は、データベースエンジニアとして信頼される存在になれるでしょう。

学び続けることに抵抗がない

IT業界、特にデータベース分野は技術の進化が著しく、新しい製品や手法が次々と登場します。
従来のRDBMSに加えて、NoSQLデータベース、NewSQLデータベース、グラフデータベースなど、用途に応じた様々なデータベース技術が生まれています。

また、クラウドサービスの進化により、マネージドデータベースサービスも多様化しています。

こうした新技術を積極的に学び、実務に活かしていく姿勢が不可欠です。

技術書を読んだり、オンラインコースを受講したり、技術カンファレンスに参加したりと、継続的な学習を楽しめる人は、常に最前線で活躍できるデータベースエンジニアになれるでしょう。

データエンジニアとして年収を上げる方法

データベースエンジニアとして年収をアップさせるには、戦略的なキャリア形成が重要です。

以下の方法を組み合わせることで、着実に収入を増やしていくことができるでしょう。

年収アップに繋がりそうな資格を取得する

資格取得は、スキルの客観的な証明となり、年収アップの強力な武器となります。
特に以下の資格は市場価値が高く、取得により年収が大幅にアップする可能性があります。

より自分を評価してくれる企業へ転職する

現在の職場で適切な評価を受けていないと感じる場合、転職は年収アップの有効な手段です。
特に以下のような企業は、データベースエンジニアを高く評価する傾向があります。

転職活動では、自身のスキルセットと市場価値を正確に把握し、適切な企業を選ぶことが重要です。

転職エージェントを活用することで、非公開求人へのアクセスや年収交渉のサポートも受けられるでしょう。

フリーランスになる

フリーランスのデータベースエンジニアとして独立することで、年収1,000万円以上を実現することも可能です。

フリーランスエージェント大手の「レバテックフリーランス」によると、フリーランスのデータベースエンジニアの平均年収は804万円と、会社員の平均を大きく上回ります。

フリーランスの魅力は、案件を選べることと、スキルに応じた適正な報酬を得られることです。
データベース設計や移行プロジェクト、パフォーマンスチューニングなど、専門性の高い案件では月単価80万円以上も珍しくありません。

ただし、フリーランスとして成功するには、技術力だけでなく、営業力や自己管理能力も必要です。
まずは副業から始めて、徐々に独立への道を探るのも良い選択肢でしょう。

エージェントサービスを活用すれば、案件探しや契約交渉の負担を軽減できます。

まとめ

データベースエンジニアは、平均年収596万円という高水準の収入が期待できる職種です。
年代別では、20代から50代にかけて着実に年収が上昇し、経験とスキルに応じた適正な評価を受けられる環境があります。

将来性についても非常に高いので、これから目指そうとしている方にもおすすめの職種だと言えます。